【出陣】妊婦よ、誇り高く法螺貝を吹け

この記事があがっているということは、恐らくわたしは腹の中のバブ・ローラを産むための覚悟を決めて、分娩室で喚いているのだと思う。

何かを書く余裕はないはずだが、きっとこのnoteを世に出すボタンぐらいは押せると信じて、元気なうちに先に文字を綴っておこうと考え今に至る。

法螺貝が吹かれる意味

たまたまこのnoteを開いた人の中には「っていうか何故法螺貝？」と思う人もいると思うが、複雑な意味はとくにない。そのまま捉えて貰えば大丈夫だ。


ツイッターランドのマタニティアカウントには「出産をしにいく＝出陣する」という文化があり、自分が出産のタイミングになるとツイッターに法螺貝🐚のマークを置く文化がある。
恐らくわたしも、このnoteのリンクとともに法螺貝をツイートしてから出陣をしていると思う。

「たかが出産で大げさな」と思う人もいるかもしれないが、生憎こちとら真剣である。

心の中でなら何をどう思ってもらっても構わないのだが、もしそれを周りの妊婦に向けて、口先から言葉として紡ぐようなら、産んだあとにわたしの魂が貴方を一発ぶん殴りに行くので覚悟してほしい。

「口に出す」と「心に留める」は、意味合いが大きく違うんですよ。わかりますね。

トツキトオカ戦った末の出陣

当たり前のことではあるが、この出陣に至るまでに女性たちにはたくさんの選択を迫られている。
今までは考えなくてもよかった事に関して、強制的に向き合う必要が出てきて、結論を出さねばならない。

・日々変わりゆく体の変化に向き合う力
・自分自身のキャリアについての取捨選択
・新しい命を守る責任、それに伴う自分の時間の喪失　など書き始めたらきりがない。

「男側だって削られるものもある」と思う人もいるかもしれないが、なにも変わらず今までと同じように生活できる女性は誰もいない。
そして生まれた瞬間から、もう一つ責任を背負うことになるのだ。妊娠してからずっとずっと、妊婦たちは戦っている。

本来であれば共に親となるパートナーと迎えたはずの分娩も、流行病のせいで入院してから退院まで一人でこなさなくてはいけない。
少しでも懸念材料があれば、どんなに経過良好でも強制帝王切開。それがいま、出陣をする妊婦たちのいる環境下である。
（以前と変わらず分娩時や面会が可能な病院ももちろんあるが、ツイッターランドを見るに極わずかであるようにも思う）

陣痛を感じてからスムーズに進めばいいが、子宮口の開きが悪ければ促進剤やバルーンを入れて、心と体を更に痛めて子が外の世界に出るまでひたすら耐える。
母体か子供に何かしろの緊急性が見られれば、緊急帝王切開で流行病と同様に腹を切ることになる。

出陣したからって、すんなりいくとは限らないのだ。

超過ランドにいたわたし

ちなみに、この記事をあげているわたしの話をすると、出産予定日を悠々超えて超過ランドの長老として「いつ生まれてくんだよ」と指折り数えての出陣である。

まさか出産予定日を超えるなんて思わなかった。

人と比べるものではないとはわかっていても、同じくらいの妊婦達、そしてわたしより週数が早い妊婦たちが出陣していくことが羨ましくて仕方なかった。

出陣＝出産となり、新しい生活に仲間たちは日々の忙しなさからインターネットから姿を消していく。それが置いていかれたような気持ちになった。
まさかマタニティアカウントをやっていてネガティブな気持ちになるだなんて思いもしなかった。

ちなみに、このnoteにもツイッターランドでも何度も書いているが誰が悪いわけでもない。わたし自身のマインドの問題である。わたしがくそよわメンタルなのが悪い。

超過ランドにいすぎて、病院からお呼び出しを受けて誘発分娩のための入院をして、たぶん上に散々書いた誘発をして、いま、出陣をしている。はずだ。未来のことだからわからないけど。

誇れ

さて、ここまで散々「妊婦、体も人生もタイマン張ってここまできた」「産んでからも色んな戦いが始まっていく」というようなことを書いた。

わたしと同じ妊婦のみなさま、よくここまで頑張った。
そしてご出産されたみなさま、先によくぞ耐え抜いて新しいステージへと向かわれた。みんなに大拍手である。

そしてわたし、わたしもよくぞここまで頑張った。

健康優良妊婦としてやってきてても、根はビビリで「本当に親になれるのか？」という気持ちが心の端の端に少しだけあったままここまで来たでしょう。
「まわりと違う」ことに不安を感じて、超過ランドに入ってからもどうしようもない憤りを感じながら日々を過ごしたね。

それなのに、ビビリなのに、何もわからない世界の中でよくここまでやった。

いまこれを投稿しているとき、「辛い」とか「早く終わらせたい」とボロボロのメンタルかもしれない。
「なんで一人でこんなに苦しまなきゃいけない」とキレながら泣いているのかもしれない。未来の自分のことだからよくわかる。絶対泣いてる。

けどここまでやってきた自分を誇れ。

まわりの妊婦さんたちも、沢山の苦しい日々を乗り越えて今に至っているのだ。
ここまでやってきた、そして乗り越えた誇らしい周りの妊婦・お母さんたちと同じように誇れる自分であれ。

法螺貝を吹いた先、それを聞く仲間は沢山居る。

それではみなさん、行ってきます。


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