ローファットダイエット とは?
ケトジェニックダイエットとは対照的で、よく比較対象としてあげられるのが脂質制限のローファットダイエット。
脂質をできるだけカットするため、とにかくありとあらゆる脂質を排除し、1日の脂質摂取量を目標摂取カロリーの 10% 未満まで抑える人もいます。
『PFCのどれから決めるべき?』でも触れたように、過度の脂質制限は健康に影響を及ぼし、かえってダイエットがうまくいかなくなる可能性もあります。
出来れば目標摂取カロリーの 20%、最低でも 15% はキープしたい。
では、脂質を摂るならなんでもいいのか?
やはり脂質制限の中で、せっかく摂るなら体に良い油を摂りたい。
動物性脂肪(牛・豚…)・乳脂肪(バター、生クリーム…)に多く含まれる飽和脂肪酸を少なめにし、不飽和脂肪酸の中でも亜麻仁油やエゴマ油、魚に含まれるEPA・DHAなどω-3系脂肪酸をチョイスしましょう。亜麻仁油やエゴマ油を日常的に摂ることはあまり多くないが、食材選びに魚を意識するといいと思います。どうしても魚が苦手な人はサプリメントを併用してもいいでしょう。
ω-6系脂肪酸も大事だが、一般的に調理で使うサラダ油(コーン油)やゴマ油・ナッツ類など普段の食生活で摂取できる機会が多い。過度の制限さえしなければ、不足になる心配はないかと思います。
ちょっと脱線するが、一応「理論に基づく」をモットーにしているので、ω-3系脂肪酸に関する過大評価や少しネガティブな情報もお伝えします。
まず、ω-3系脂肪酸の代表的な存在=EPA・DHAが心疾患の予防になることは証明されていません。海産物を日常的に食べる人とまったく食べない人を比較し、食べる人の方が心疾患の死亡リスクが低いデータはあります。しかし、それはEPA・DHAの作用によるものというエビデンスは今のところありません。
もう一つは男性に関わる内容で、ω-3系脂肪酸は前立腺がんのリスクを上昇させる報告があります。しかし逆に、がんの進行を抑える、リスクを下げる報告もあります。これに関してはまだ結論が出ていません。
このような不確定な情報もあるが、極端な摂り方でなければ心配無用かと思います。
ケトジェニックダイエットに比べると、ローファットダイエットの体重減はもどかしいほどゆっくりです。
これは推測となるが、糖質をしっかり摂るため体内に水分を蓄えやすいからではないかと思います(グリコーゲン:水=1:3の形で体内に貯蔵されていることを踏まえて)。
それでも自信を持って続けていけば、ゆっくりだがちゃんと体重は落ちます。
ローファットダイエットは糖質を摂れることで、筋トレのパフォーマンスも維持しやすい。しかし、ここで注意しなければならないのは、体重減の進捗に歯がゆさを感じ、焦って糖質を減らしすぎないことです。
ローファットの時のメインエンジンは糖質代謝エンジンということを忘れてはいけません。糖質を減らしすぎると体は足りない糖質を求め、筋肉を分解して糖質を作ろうとします(糖新生)。糖質を減らして体重が落ちたと喜んでいると、実は脂肪だけでなく筋肉量も落ちかねません。
ローファットで筋肉量を維持するため、筋トレの継続はもちろんのこと、タンパク質を多めに設定し、糖質を減らしすぎないことが大事です。
最後に、ローファットダイエットのメリットとデメリットをまとめます。
< メリット >
・食材の選択肢が多い
・食費が安い
・少量だが脂質も摂れる
・筋トレのパフォーマンスが維持しやすい
< デメリット >
・体重の減りがゆっくり
・空腹感が強い
・筋肉量が低下しやすい
いかがでしたか?
ケトジェニックダイエットと比較しながら、ご自身に合うダイエット法を見つけて下さい。
では、次回もお楽しみに。
“ 一時の減量より一生の健康 “