「命日占い」で故人との繋がりを知る
2022年の春に妹が亡くなった.当時,なかなか心の整理がつかないということを「妹の四十九日」に綴ったところ,それを読んだ友人が「悲しみの秘義」という本を紹介してくれた.最近読んだ本の中でこれが一番自分の心に響いたと言って.「悲しみの秘義」は深く心に染み入った.死者と生きるということ,悲しむということなど.そんなことを書いたところ,別の友人から「命日占い」を勧めてもらった.
占いにはまったく興味がなく,普段は見向きもしない.しかし,この本はいわゆる占いの本ではない.著者は以下のように説明している.
この「命日占い」は,西洋占星術をもとに著者が作り出したもので,自分の誕生日の星座と故人の命日の星座を用いる.星座は12種類あるので,12×12=144の組み合わせが存在する.それらを10個のグループに分類し,グループごとに故人との関係性を説明している.
もちろん,合計10種類しかないわけだから,4種類しかない血液占いよりはましだとしても,分類は雑だ.それは著者も認めている.それでも,著者は故人の未来を言い当てようとしているわけではないし,本書「命日占い」に書かれていることを読んで,故人との付き合い方を良い方向に変えていくことができれば,それは十分に価値のあることだろう.
本書には,ケーススタディとして,いくつかの相談事例が紹介されている.そこには,それぞれの故人と残された人との関係性があり,悲しみがあり,とても参考になった.占いなんて信じないという私みたいな人でも,人の死に接して心の整理が付かないというようなときに読んでみるといいかもしれない.
© 2022 Manabu KANO.