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本の紹介・読書の記録

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2022年5月の記事一覧

「史上最強の哲学入門」で哲学者たちの論点と足跡を学ぶ

西洋哲学の入門書.強い哲学者が「オレはこう考える!」と論じれば,「そうではない!正しいのはこちらだ!」と反論する強い哲学者が現れる.紀元前から人間の一部はそのようにして真理を追究してきた. 本書は,真理,国家,神様,存在の4つのテーマについて,真理を探究し,新しい考え方(世界の見方)を提示してきた哲学者32名を,哲学界でバトルを繰り広げる闘士になぞらえて得意技と共に紹介している.後世の哲学者が有利に決まっているだろと思うが,それはともかく,わかりやすく論点が整理されており,

「憲法と国家―同時代を問う」で比較憲法を学ぶ

憲法記念日にあわせて,憲法の勉強でもしてみようかと,たまたま図書館で手に取った本書を読んでみることにした.時節柄,図書館の企画コーナーには他にも多くの憲法関連書籍が並べられていたが,それらが日本国憲法を中学生でも理解できるように易しく解説しますといった本ばかりだったのに対して,本書「憲法と国家―同時代を問う」は比較憲法の解説書である.まったく趣旨が違う.そして,これまであまり考えてこなかったことを考えさせられた.難しかったけれども. 不勉強なので,「比較憲法」という研究分野

ルワンダ中央銀行総裁日記 増補版

本書の初版が発行されたのは1972年.著者の服部正也氏は,海軍大尉として終戦を迎え,復員後に日本銀行に入行し,1965年に国際通貨基金IMFの要請でルワンダ共和国の中央銀行総裁となった.アフリカの中でも貧困が酷く,世界から見放されていたルワンダにおいて,ルワンダ人のためにとの一心から経済再建計画を立案し,わずか5年で経済を軌道に乗せた.「中央銀行という重要な国の機関は当然その国の人が総裁とならなければならない」との想いから,ルワンダの多くの人々に惜しまれつつも1971年に帰国