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二人きりになれない母親と、舞い降りた天使

先日、息子の保育園の参観日がありました。新型コロナの感染拡大以来、あらゆる行事が中止になっていたのですが、今年度で卒業予定の園児とその保護者を対象に、特別にと開催してくれました。


ふだんは保育園の送り迎えなど、ほとんどのことを夫がしてくれているので、ちょっと緊張しましたが。普段の保育園での様子を垣間見ることができて、貴重な体験でした。


息子は今年で3歳になりますが、産後うつになって以来、私は息子と二人きりで長時間を過ごすことをしていません。


私自身、あの頃の恐怖心が蘇ってきてしまうというのに加え、万が一の事故があってはいけないと、夫はじめ周りの人のサポートが入るからです。


あの頃は本当に、息子と二人きりでいることが何よりの恐怖で、いてもたってもいられない状態でした。抱えた責任の重さに、いつも押し潰されそうでした。


年が経った今も、時折その恐怖を思い出しては、不安になることがあります。

もしかしたらこの恐怖の記憶が完全に消え去ることは、ないのかもしれないと思っています。



参観が終わった帰り道、ちょっとした公園を見つけ、遊びたいとせがむ息子。少しだけ、遊んで帰ることにしました。



キラキラした木漏れ日の中を、宝石のような笑い声を響かせて走り回る息子。


全身の細胞ひとつひとつが、生きていること、生まれてきたことを喜んでるようなエネルギーに満ち溢れていて、その姿をとても眩しく感じました。


生きる目的を見失ったり、時には自分を疑ってみたり。そんな私たち大人に比べて、なんて純粋で清らで、逞しいのだろう。


その姿は、間違いなく天使そのものでした。あまりの尊さに、羽が生えて飛んでいってしまうのではないかと不安になるほどに。



産後うつになってしまって、ひどい時には妊娠出産を後悔したこともあったけれど。

今も他の多くのお母さんに当たり前にできることが、私にはできないけれど。


こんな素敵な天使が私のもとにきてくれた奇跡に、感謝したいと思います。

彼から学ぶべきことは、きっとたくさんある。


成長するにつれて、今当たり前に持っている宝物も、きっとひとは亡くしてしまうから。今の息子の姿を目に焼き付けておこうと思います。



次回からは、私の産後うつの経験談をより詳細に書いてみようかと思います。


今も人知れず悩んでいる人がいるかも知れないから。産後うつについて何も知らない人にも、少しは理解してもらえるように。





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