書評「漫画村の真相」 IT関係の裁判はちょっとずさんだよね。
こんにちは、サカモトです。
今回は、一時期世間を騒がせた漫画村事件の当事者が書いたこちらの本の紹介です。
「漫画村の真相」です。
きっかけ
漫画村自体はそういえば、漫画村って5年くらい前に世間を騒がせてたなぁというくらいしか記憶にありません。
漫画村という存在は知ってましたが、当時はマンガは読んでなかったんですよね。
そんな自分がこの本を読むきっかけは、幻冬舎の編集者の箕輪さんが対談してたからですね。これがとてもおもしろかった。
というわけで、ポチってしまったわけです。おもしろそうな本を見るとすぐに買ってしまうんですよね笑
内容
漫画村事件の当事者がどのような半生をおくったのかと漫画村事件が起こった経緯、そしてその真相について語っています。
作者の星野ロミさんは、父がドイツとイスラエルの二重国籍、母が日本人ということで、ドイツ、イスラエル、日本の三重国籍だそうです。
あまり、家族関係もよくなく、また学校でも友達はいなくて、勉強もできなかったそうです。そして、高校時代に抑うつ状態になって引きこもりになります。
そこで親がとったことがすごいんです。アパートの一室を借りて、半年分だけ家賃を払うからそれまでになんとかしなさいというもの。
その状態になって、必死となり、ネットで稼ぐ方法を取得するわけです。追い込まれたことで才能が目覚めたわけです。
漫画村事件の真相
そして、漫画村事件の裁判の過程が描かれるわけですが、ライブドア事件やwinny事件など、ここ20年くらいIT系の裁判がありましたが、それらと同じくお粗末だなということです。
一番の問題は、事件を裁く立場の裁判官や検事がITに詳しくないと思われるのに、強引に裁いていることです。これは本当に危険なことです。
星野さんが罪に問われたのは、著作権法と組織犯罪処罰法の違反です。
まずは、著作権法の違反ですが、自分のサイトにデータをアップロードして、多くの人が閲覧できるようにするということが違法なわけです。しかし、作者はその辺は用意周到で、リバースプロキシという方法をとるわけですね。
リバースプロキシの仕組みは、自分のサイトにデータをアップロードするわけではなく、他のサイトでアップされたデータを自分のサイトで見れるようにすることです。つまりは自分のサイトにはデータないということですね。
それなのに、著作権法の違反があったと認定されてしまいます。もう、これは強引としか言えないです。
そして、もう一つ組織犯罪処罰法です。これはオウム真理教などテロ組織などを罰するために作られた法律です。
それをこの漫画村に適用するとは、、、ちょっと恐ろしすぎますね。
まとめ
まずは、裁判官、検事などITを勉強したほうがいい。
また、詳しくないのに事件を無理やり裁くのはやめた方がいい。
そんなところですかね。
そして、この本の出版の目的は再審なんです。
「SNSで知名度と実績を付けて裁判所が認めざるを得ない状況を作り上げる」ということです。
なかなか難しいとは思いますが、期待したいと思います。