未知の才能
Xエックスを観る。
製作はアメリカ東海岸におけるインディペンデント系イキりアート映画の代表格、A24(!)。最近は「もうアート映画だけじゃ食えねえよ!」とホラー路線に転向し、さらにこれからは大作で間口を広げてガンガン稼ぐ方針らしい。だがその一発目(恐らく)のシビル・ウォーが期待外れだったので個人的にはあまり好きになれん会社である。俺はブラムハウスのが好きかな。
主演はインフィニティプールで超絶ビッチを怪演したミア・ゴス。シャイア・ラブーフと結婚して離婚して復縁した人です。この人は製作が延期されまくってるブレイドのゴタゴタに関して庇っていたのでいい人な気がする。しかしながらシャイアはいつになったら落ち着くのだろうか……。
さて本編だが、ブラムハウス感というか、昔のスプラッタホラーを思わせた。俺はこのジャンル全く詳しくないし死霊のはらわたですら観たことがねえにわかだが、とにかくエポックメイキングへのオマージュというか、そこからのパスティーシュをなんとなく感じた。
A24ってシビル・ウォーを観る限りアートであることに寄りかかってキューブやプラットフォームみたくオチをぶん投げる系かと思いきや、意外や意外、オチはよかった。
さらに割とテーマが一貫しているところも好印象だ。
テーマはスバリ「老い」。人は誰しもジジババになんぞなりたくないが、それでも向こうから勝手にやってきてしまう。
俺が怖いと思うのは、老いることよりも、老いてから若い頃に「アレをやっておけばよかった!」と後悔することだ。
この映画はそんな若い頃のアレコレを引きずった老夫婦の抑圧を跳ね除けた主人公が夢へと駆け出して終わっていく。その先に待つのが希望か否かはわからんが、恐らく続編で描かれると思うので見ることにする。
俺はその後の「クソみてーなホラー映画だろ」のセリフで見事にキメて見せたのが痺れた。人間ああいう場面でカッコつけてみたいものである。