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#逆噴射小説大賞2024
PAX APOCALYPSIS
朧の眼下に、燃え盛る荒野が広がっていた。
地核より噴き上がる焔蛇の火柱が雷雲を裂き、降り注ぐ火の雨が、絶えず渦巻く焦土に爆ぜる。燔人共がその上を、燃える膏を吐いて滑走していく。
ここは、人界と化外の地〈永獄〉を隔てる断崖である。
朧はその淵に座し、眼前に打ち込まれた神盤遊戯〈天盆〉に臨んでいた。熱風に白銀の長髭と深紅の龍袍を翻しながら、幾星霜を閲した者特有の幽邃な瞳で盤上を見据えている。
朧の眼下に、燃え盛る荒野が広がっていた。
地核より噴き上がる焔蛇の火柱が雷雲を裂き、降り注ぐ火の雨が、絶えず渦巻く焦土に爆ぜる。燔人共がその上を、燃える膏を吐いて滑走していく。
ここは、人界と化外の地〈永獄〉を隔てる断崖である。
朧はその淵に座し、眼前に打ち込まれた神盤遊戯〈天盆〉に臨んでいた。熱風に白銀の長髭と深紅の龍袍を翻しながら、幾星霜を閲した者特有の幽邃な瞳で盤上を見据えている。