「テクノロジーで皆が幸せになる社会を作る」ため、ドヴァ・坂本CTOが参加する活動とは?【後編】
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かつて仕事で訪れたアフリカで、大工の棟梁から寄せられた感謝の言葉が、ドヴァCTO・坂本大地さんの目を社会課題解決に向けさせたきっかけになったことは前回お伝えした。
今回は、坂本さんが働く上で大切にしている信条などに迫っていく。
◆テクノロジーで社会の格差をなくしたい
興味深いのは、坂本さんは元々、世の中に対して失望感を持っていたというのだ。
詳細は割愛するが、そんな坂本さんの価値観さえも一変させたのがアフリカでの体験だった。では、自分は一体何をすべきか。考え抜いた末、坂本さんは技術によって皆が平等に、幸せになる世界を実現することを目指した。
「私たち日本人は比較的恵まれた立場にあります。でも、実は案外不平等なんですよね。だからこそ、テクノロジーによってできるだけ格差をなくし、誰もが恩恵を受けられる状態にしたいと考えています」
一方で、テクノロジーを悪用して金儲けをする人間や、他人を傷つける人間もいる。そうした人たちが考えを改め、自らを律するような世界にもしなければならないという。
「技術は正しい使われ方をされるべき。もはや倫理の話ですけど、非常に大切なことです」
◆情報セキュリティを強固にするには「攻撃」も必要
そのために坂本さんが以前から問題意識を持って取り組んでいることがある。情報セキュリティに関する活動だ。
坂本さんによると、日本は情報セキュリティに関してある意味で先進国なのだという。
「漫画村事件や、最近ではルフィ事件があったでしょう。これは全部ネットワークを悪用した犯罪なわけですよ。日本には研究材料が転がっています。2023年10月に開かれたインターネットガバナンスフォーラム(IGF)でもやはり話題になっていましたしね」
ある組織のオペレーションにも参加した経験がある坂本さん。
「社会的に弱い立場の人が辛い目に遭っていたり、押さえ付けられそうになっていたりしたら、やっぱり助けなきゃいけないと思っています。そのためにも個人で参加して、やれることはやっていますよ」と意気込む。
◆畑仕事と沖縄空手が習慣に
テクノロジーの力を信じ、それを正しく活用することで社会をより良くする。そうした目標に向かってまい進する坂本さんだが、プライベートでは「畑仕事にハマっている」と、長閑(のどか)な一面ものぞかせる。
「沖縄で畑を借りて、今は芋を育てています。それこそテクノロジーを使って“スマート農業”っぽいことをやろうかなと思っていたのですが、借りたところが荒地だったので、まずは土壌作りからです。それでもめちゃくちゃ面白くて。休みの日は確実に畑に行きますね」
それと、4年前から習い始めた沖縄空手。自宅近くの道場に通い、日々鍛錬している。今では農作業も空手も日常習慣になっていて、頑張ってやっているという感じはまるでないそうだ。
豪傑ぶりと正義感を併せ持つ坂本さん。この人間性に惹かれて、共に奮起するエンジニアはきっと多いはずだ。
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