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29歳のクリスマス🎄あなたはどこで何をしてた?

私が16歳になったばかりの1994年にTV放映されていたドラマ。

『29歳のクリスマス』


脚本・鎌田敏夫
主演・山口智子
出演・松下由樹、柳葉敏郎、仲村トオル、
水野真紀(「きれいなおねえさんは、好きですか。」のCM出演中。あの頃。)

主題歌🌟

マライア・キャリー恋人たちのクリスマス

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

(知ってた?このドラマの主題歌だったこと!)


1994年春、私と母はDV父(今年10月に亡くなった)の国内出張中に引っ越し屋を呼び、同じ県内の隣の町に昼逃げした。
ちょうど高校進学に合わせて計画を立て、父には言わずに新しい町の高校を受験していた。合格発表の日に引っ越しして、作業の途中に掲示をひとりで見に行った。受かっていた。解放感でいっぱいだった。

その高校は進学校で、校則は厳しく指導熱心だが世界に出るようなプロミュージシャンやあのCDのあのジャケットを手掛けた!みたいなイラストレーターなどをなぜか多く輩出している、潜在的創造者が集う学校だった。
私はぼんくらで、朝遅くに裏門を乗り越えたり、生垣の間からじゃきじゃきになりながら学校に侵入したりしてよく反省文を書いた。
いまもほとんど変わってない。

部活の顧問の先生がすばらしくて、多くの生徒が魔法をかけてもらったり、また反目したりして、リアル青春ドラマの舞台でもあった。
そこで、愛する彼女と出会い、いまの夫とも出会っている。

父から逃れて、母は結婚生活から逃れて、私は教育熱心だった姉と別の生活になり(姉は入寮した)、まったく新しい人生を謳歌していた。
それまではそれなりに安全に(大いなる疑問だが)管理されていたが、これまでと違う文化圏で、新しい出会いに興奮していた。
振り返ると隣町なのでそんなに違いはなかったが、当時の私はそう感じていたのだ。


さまざまな出会いと新しい自分、新しい価値観、それらを吸収する日々。
その多感な頃に『29歳のクリスマス』というドラマを観た。
主演の山口智子がまさに30歳になる誕生日に放送開始だったので、収録時は実際に29歳だったと思われる。
私には永遠に訪れないオトナの世界に見えていた。
まぁドラマだからね。

リアルな社会でも過渡期で、女性が社会で活躍する意欲も需要も十分に高まってはいるが、「29歳」という年齢は女に重くのしかかり、仕事、恋、結婚、妊娠、それらをいかに曲芸のようにバランスを保ってやりきるか。

母のようになりたくはないががっかりさせたくはない。
父にも喜んでほしいが、自分の人生は自分のものだ。
いまの10代の若者ならわかりきっている(我々世代が生活・文化に混ぜて伝えてきた)ことを、当時はまだ悶々と悩んでいたのだった。

結婚に対するプレッシャーはいまよりもっと重かった。
いまとはまったく異なる意味で。
社会で一度退けば、二度と戻るイスはない。
きっとそうだったからあんなに主人公たちは煩悶していたと思う。
私はお気楽な高校生で実際は知る由もなかったが。

母が結婚という枷を自ら外して、常識の外へ飛び出して行ったことは私に多大な影響を与えた。
それによって世界を見る目は確実に変わった。
母にとって決してベストではないが、ベターな選択を掴み取ることが自分次第で可能だとわかった。
それが、ドラマを観ている私の心の深層の下敷きになっていた。

「女は男に選ばれるのではなく選ぶ自由がある」


当時、文化という手段を用いてそれを訴える必要があったのだ。
いま、このドラマを観てピンとくる女は少ないかもしれないが、
あの時代を生きていた私たちには衝撃だったのである。
私たち母娘はたまたま先んじてそれに着手し始めていた。

分析しだすと、「家族制度の崩壊」の話しにすり変わっていくので突き詰めはしないが、このドラマでは、好きなひとを諦めた女もいるし、反対に負けずに貫いた女もいる。未婚で出産した女とそれを支える決意をした女もいる。
誰かやなにかを否定することなく、
「女の選択の自由を尊重した」画期的なドラマであったと思う。

さまざまなプロが評していることだろうから私などが言うまでもないのだが、忘れ難い思い出のなかの出来事として、書いておきたかっただけだ。


蛇足だが私の29歳のクリスマスは年上の男とレストランに入って、クリスマス当日で?とても店内が混んでいて暑かったからニットを脱いだら白いシャツから下着が透けて見えていて、男にめっちゃ怒られた。
だからなに?って感じ。
そんな思い出しかない。現実はまことに乏しいもんだ。



覗いてくれたあなた、ありがとう。

不定期更新します。
質問にはお答えしかねます。

また私の12ハウスに遊びにきてくださいね。


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