自我関与って何?

道徳における質の高い三つの指導法の中に自我関与が中心の学習というものが出てきました。

今までの読み物教材を用いた道徳授業に最も近い形であると言えますが、今回は、そもそも、自我関与って何?ということについて書いていきたいと思います。

さて、自我関与という言葉を辞書で調べてみるとこのように出てきます。

心理学用語。ある事柄を自分のもの、あるいは自分に関係があるものとして考えること。(デジタル大辞泉より)

この意味から、心理的な状態であるということ、自分のこととして考えていることということが考えられます。

つまり、道徳で言うならば、登場人物の行為や理由などが、自分にとって何かしらの関係があると考えている状態、自分事としてとらえている状態といえるでしょう。

そう考えると気になるのは、自分にとって何かしらの関係があるというのは一体どういった状態を言うのでしょうか。

いくつか例を挙げてみましょう。

・必要性を感じている

・その人物に共感している

・その人物の行動や理由を考えることが自分にとっての生き方のヒントになる。

・その人物の行動の理由や訳を知りたい。

・その人物の失敗の理由を考えることで自分の失敗を防ぎたい。

・まねをしたい。

といったところでしょうか。

だた、心理的な状態であるということを考えると、機械的にこういうことをさせれば自我関与ができるというわけではなさそうです。もちろん、上手くいく傾向のある方法というがあるとは思います。

文部科学省の資料では、読み物教材への登場人物への自我関与と書かれていますが、登場人物の行為なのか、心情なのか、それとも持っている道徳的価値なのかといったことはよくよく考えないといけません。(手品師の行動に100%自我関与してしまうと、食うにも困っている状況でも、子どもとの約束を選ぶべきという結論になりかねません。)

自我関与する対象は登場人物だけでなく、道徳的価値そのものでもよいのかもしれません。例えば、「自由」に生きるには良いか?自分にとって「友達」とはどんな人か?など、資料をあくまでも参考として使うという方法も考えられるのではないかという気がします。

どちらにせよ、何かしらの必要性や共感性を喚起していくことが必要になりそうです。

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