基準の白。ホワイトのバランス/今日写講Vol.16
いつだったか、こんなに移動に自粛をすることがなかった時。
羽田発→小松着の飛行機で東京出張から帰る夕方に撮影していた雲の上。
iPad miniでの撮影。
撮影したままのデータは少し黄色い雲。
東から西に向かって、日が沈む方向へ飛行する飛行機から見える雲は夕方の少し黄色の色を帯びた「白」でした。
基準の白は何色?
適正な色味を出すためにデジタルカメラには「ホワイトバランス」という機能が備わっています。
フィルム時代は「デーライトフィルム」「タングステンフィルム」で基準の白色を出したり、色温度変換フィルタを使っていました。
色温度
カラー フィルムを選ぶとき、技術的に気をつけなければならないことに、色温度の問題があります。カラー フィルムはすべて、ある種 (色温度) の光で使うように設計されているので、利用できる光源にフィルムタイプを合わせるようにすると最高に仕上がります。フィルムと光源のタイプの組み合わせを間違えると、魅力のない写真になります。たとえば、白熱灯のついた室内でデーライト フィルムを使うと、全体的に赤っぽくなるか、オレンジ色の光が当たったような写真になります。同様に、室内 (タングステン光) 用のフィルムを屋外で使うと、全体的に色合いが青くなります。
<中略>
特定の光源にあったスライド フィルムを、それとは別の種類の光源下で使うには、色温度変換フィルターを使います。しかし、いちばんよいのは特定のフィルムをその用途に合った光源下で撮影することです。
〜出典:Kodakホームページより〜
色温度を手前の雲の「白」を基準に調整した写真。
こうやって、2枚の写真を比べて見たとき、
どちらが夕方の空だろう?
基準て何だろう???
そんな疑問が出てきます。
基準は撮影者でしかない。
ピントの時の今日写講で、
どこに、何に、焦点をあてるのかでそこにある事実の捉え方がかわる。
と書いていますが、基準の白をどんな風に表現するかも、どうやって目の前の事実を捉えるかによって変わってきます。
だから写真は面白い
フィルム時代は「デーライト」「タングステン」という違い +フィルターで白を白で表現していくしかありませんでした。
というかカラーネガフィルムで一般的なフィルムはデーライトのみでした。
そのデーライトで室内の灯りのなかで撮影するとオレンジ色の写真や蛍光灯なんかだと寒々しいというか少し不気味な色味の写真が仕上がったりしてきていました。
そんな中で白を白として表現するには、光の方を調整せざるを得ません。
ストロボとかを使って。
それか、フィルターを巧みに使いこなさないといけなかったのです。
(学生時代フィルターの授業みたいなのもあったけど、フィルターの値段がすごく高いのと、ややこしいので、見て見ぬ振りをしてました、、(^_^;))
そんな難しい手続きを踏まずとも、ホワイトバランスという機能がデジタルカメラには搭載されたので、自由度の高い撮影が可能になったんだろうなと思っています。
ただし、AWB(オートホワイトバランス)には注意かな。
これは機能的な部分での注意というより、基準をカメラ任せにすることが注意してほしいという事です。
今回アップしている写真はiPad miniなので基本はオートでホワイトバランスが調整されていると思います。
なので、色味に関して僕の意志は全く入っていない写真です。
これを、フォトショで思い描く色の白にするとしたら本当はこんな写真です。
夏前の東京出張。日の昇っている時間が長い一日。日が沈む方向へ帰郷するときに見た雲に反射する夕日
これくらいの色がでるようなホワイトバランスを使って撮影できれば良かったのかなと思います。
自分自身がどう見せたい写真かを考える
誰に何を言われようと、こんな風に見えたんだ。
目に映る景色が、心の中ではこんな風に感じたんだ。
この風景のイメージを変えるためにも違う色味にしたかったんだ。
どういう理由であれ、撮影者の真実であれば、
好きなホワイトバランスで撮影できれば最高だなと思います。
ただ、その想いと出てきた写真の色味に矛盾があると、
濁った写真になってしまうかもしれません。
この白のバランス。バランスを取った上での基準を一人ひとりがもっている写真家がもっともっと増えたらいいなぁと思います。
流行ってる色味だから、、ってのは苦手です。
白の注意点
白はペーパーの色やモニタの色、明るさにも左右されます。
というか絶対的な白は
RGB: (255, 255, 255)
16進表記: #FFFFFF
という数値です。
物質としてはすべての波長の可視光線を(ほぼ)100%乱反射するとき、その物体は白いという。
100%の反射率を持った「理想的な白色」の物体は実在しない。現在、ほぼ理想的な白色物質として利用されているのが酸化マグネシウムや硫酸バリウムであり、これらは可視光線のほぼ全領域にわたって99%以上の反射率を示す良好な白色素材である。
出典:Wikipedia
ということは、やっぱり自分で基準が必要なのだと思います。
(仕事の場合はクライアントの白の基準をしっかりと反映させることが必要だと考えています)
そんな白のスタジオ
僕が経営するDot.Graphの事ですが、壁面「白」のみ。
その白に反射する光のほとんどは、北側にある窓からのやわらかい光。
そんなスタジオで家族の思い出に家族の色を乗せた写真を撮っています。
お近くの方、お近くにお立ち寄りの際には写真に写りに来てください。
と、最後はスタジオの宣伝でした。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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