【のお、正義ってなんじゃ?】 孤狼の血 LEVEL 2
様子見だァ?眠たいこと言っとらんで、さっさと見に行きんさいやー
1が視覚的なトラウマ映画なら、LEVEL2は精神的なトラウマ映画だった。個人的には1の冒頭が尋常でないトラウマ記憶なのだが、2もボディブローのように効いてくる。
ガミさんの後を継ぎ、絶対にカタギに犠牲者を出さないと固く決意して泥をとことんまで被る覚悟を決めた日岡。
元来の真面目な性格からか、やるならとことんやる。そのおかげでこの3年、広島は平和だった。それが県警にはやはり面白くは無い。だが、ガミさん譲りのネタがあるから、表向きには手を出せない。
そんなバランスが、上林の出所によって壊れていく。
上林の狂気が半端ない。こんな人が周りにいたら、絶対国外逃亡する。絶対。映画の文脈から笑顔だけを切り取ったとしても、なんだか良くわからないけどこの人怖い、と思えるくらいに恐ろしい。言わんやこの文脈をや。
映っていなくてもオフカメから登場して何かやるに違いないと思えて、全く気が抜けない。呼吸が浅いままの2時間だった。
そんなヤバイ上林ではあるけれど、日岡は当初、きちんと警察としての手順を守りつつ、ヤクザ同士の戦争が勃発しないようにと奔走する。もちろんかっちりと泥を被り、表情を崩さずに汚い手も使いながら。
でも、後半のあるシーンで、1の前半に何度も描かれた純粋な刑事の顔が戻ってくる。優しさも、警察官であるという使命感も、ちゃんと彼には残っている。
だが、終盤、その心の奥に残っている「正義」と「信頼」に基づいた行動が逆噴射するという、あまりのどんでん返しに愕然とした。
ヤクザは俺たちは悪だと言ってるから分かりやすい。政治犯は違う。正しいことをしていると思い込んで悪いことをやるけえ、奴らは厄介なんじゃ
そんな「相棒」の言葉に見るからに動揺する日岡に胸が掴まれる。
政治犯だけでは無い。外道オブ外道は、善人面すらせず、たたただ立場やメンツやらのために動いている。泥をかぶる人にも、社会から見放され、「残飯恵んでもらって生き延びねばならない」人にも、目をくれないまま。
じゃあ聞くがのう。正義ってなんじゃ?
鈴木亮平さん、ヤバイ。まじでヤバイ。西郷どんどこいった。いや、こないだ東京MERで見せていた爽やか笑顔とか涙とか、脳がハレーション大困惑を起こしている。
そして、原作者の柚月裕子さんが役者としてクレジットされていた。どの人や、どこにいたんや... 顔を知らないから、全然分からん。気づいたかた、情報プリーズ。
明日も良い日に。