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【本との出会いとは】 ブックサンタになってみたら、寒さが吹き飛ぶほど心が温まったこと
私はいつ頃までサンタさんを信じていたのだろう。サンタさんの正体に気づいてしまったのはいつだろう。
覚えていないということは、何かドラマチックな出来事があったわけではなかったのだろう。ただゆっくりと、気づいてしまったのだ。世界の理に。
でも、その世界の理は優しさで出来ている。そしてその優しさを別の形で結晶化して、誰でもサンタさんになることができる。
その内の1つが、ブックサンタだ。
サイト内に記載のある提携書店に足を運び、そこで販売している書籍を選び、「ブックサンタで」と店員さんにお知らせしてお支払いをすませる。
後日、自分が選んだ本がどこかの子どもたちに届けられる。匿名のサンタさんからのプレゼントとして。参加者のみのサイトでも、子どもたちからの感想が読めるそうだ。
更に素晴らしいのは、この方法なら、書店の収入にも貢献できるのだ。
オンラインでも本は買える。だけれど、オンライン書店では、新しい作家や本との出会いは少ない。アルゴリズムをベースにしてお勧めされる本の中に、セレンディピティを期待することは、難しい。
でも、物理的な書店をぷらぷらしていると、思いもかけない出会いがある。装丁に目を惹かれることもあるし、知らない作家のタイトルにそそられてパラパラと捲ることもある。
そうやって何気なく手に取った本が、一生のおつきあいの始まりになることもある。恩田陸さんも、北村薫さんも、有川ひろさんも、茅田砂胡さんも、そうやって長いお付き合いが始まった。最近だと、湊かなえさん。誰にお勧めされたわけではなく、リアル書店でふと手に取って、心を完全に持っていかれた作家さんたちだ。
そういった出会いの場所である書店にとっての貢献にもなる。
小さい頃から、私は本が大好きだった。引越族だった我が家での、小さい頃の一番の友達は、人間で言うなら弟で、世界で言うなら本だった。
特に、アメリカに渡った後の4年くらいは、友達があまり出来なかったこともあって、ひたすらに本を読んだ。本にどれだけ救われたかは、言葉では到底言い表せない。
今でも、読書の時間が取れるかどうかは、私の健康バロメーターの1つだ。活字を追い、別世界に没入することは、私にとって精神安定剤なのだ。本を読む時間が取れなくなると、心がシワシワになって干からびてしまう。
だから、もしもブックサンタになることで、どこかの誰かが読書の楽しさを知るきっかけになることが出来るなら、これ程嬉しいことはない。しかも、本を介してどこかに新しい友達ができるのだ。
三方よしどころか、四方も五方もよしな取り組みだと思う。
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どうか、この輪が広まっていきますように。
TSNさん、きっかけを下さって、ありがとう〜!
明日も良い日に。
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