The Light in the Piazza
幼い頃の事故で脳に障害が残り、知能が12歳から育たないと言われている女性が、母親と旅行で訪れたイタリアで、イタリア人青年と恋に落ちる、というお話。
彼女と恋に落ちる、英語が全く話せないイタリア人の男の子がなんとか英語を学ぼうとする様子がとても可愛かった。
そしてこのイタリア人青年は、冒頭、ほとんどイタリア語で話し、歌う。少しずつ英語を覚えるなかで、劇中での歌もセリフも徐々に英語混じりになっていく。でも、イタリア語のみであったとしても、オペラチックに歌い上げるその感情はとても伝わる。この表現力はすごい。
英語ができない設定なのに英語で歌われることが多い中、とても勇敢な演出なのではないかしら。
途中、どうしても説明しなきゃならない時は、「私は本当は英語ができないんだけどね、ほれ、ここだけは説明させて」と男の子のママがギャグを交えて進めていくのもとても好き。
一番好きだったのは、舞台の奥が1段高いオーケストラスタンドになっていること!
舞台手前でお芝居が展開され、40人(!!!)構成のオーケストラが紡ぐ音楽が天上から降ってくる。うーん、なんて耳福なんだろう。天上オケピなら指揮者も見えるしね。
ちなみに指揮者は女性でした。とても素敵に振る方。にこやかで軽やかで。オケの真ん中にピアノとハープが置いてあるのも、私的には好印象。特にハープの音がとても綺麗に聞こえる楽器配置でありました。
ママを置いてはいけないわ
脳障害を持つ娘が、最後にママに言う言葉が印象的。ママはこの子を構うことで、自分の存在意義を保っていた。私がいなければ、娘は一人で生きられないと思っていたけれど、本当は逆なのだ。そして娘はその思いをきちんと掬っていた。
その上で、キチンと娘を送り出してあげるママが、とてもとても美しかった。
10年以上前にブロードウェイで観劇して、とてもとても感動した本作品。また出会えて良かった。