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【身体表現とは】 舞台 「エヴァンゲリオン・ビヨンド」
声なき声をきけ
新生Milano-Za柿落とし公演でした。
https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/evangelion2023/
発表時から、シディ・ラルビ・シェルカウイさん演出でエヴァ!すげえ化学反応があるに違いない! … とドキワクが止まりませんでした。
シディの舞台は、2018年のPLUTOが衝撃でした。
「感情って、もっとキレイなものだと思っていました。でも、実際はぐじゅぐじゅで、ドロドロしていて… 博士、こんな時、人間はどうするのですか?」
「こんな時、人間は泣くんだよ。なんの解決にもならないが、何故だがほんの少し、楽になる気がする。君も、やってみるといい。初めは真似でいい。真似でも泣いていると、だんだん泣くのが上手くなる。」
憎しみの負の連鎖を生み出すのは人間の得意技だけれど、その憎しみとどうにかこうにか折り合いをつけ、のたうち回りながらも昇華させようと悶えるのも、また人間だけなのだ。
「なんでわたしだけが」、と憎しみのタネを抱きつづけても、何も産まれない。タネは、手放して地面に返し、涙を落として、ようやく花が咲く… 可能性が、生まれる。
咲かないかも知れない。いや、咲かないことの方がむしろ多いかも知れない。けれど、一面に広がる点描画のようなお花畑を思い描くことが出来るのも、また、人間の力なのだ。
人間は意図的にロボットに憎しみを与えず、その結果、憎しみを乗り越える力も、また、奪ってしまった。地球上のあらゆる憎しみが無くなる日など、こないだろう。だが、憎しみも、喜びも、すべて等価の感情であり、人間に固有の力なのだ、と信じることくらいは出来る、かもしれない
当時の感想。まだNOTEをやっていなかった為、別サイトで書いたのですが、PLUTOという原作を違う世界線で再構築した物語で、身体表現とステージングにフルフルしたことを覚えています。
きっとエヴァもそうなるのだろう、と思っていたら、その通りでした。
見たことのない程傾斜のついた八百屋舞台は、大学生の頃に見て脳内に「ガビーン!」と昭和なSEが響いた、オリジナルのエヴァのカット割を彷彿とさせます。
いや、あの傾斜えぐいやろ。俳優さんたちにお怪我がありませんよう、祈るばかりです。
その傾斜に投影されるプロジェクションマッピングも、テクノロジーをうまく活用しています。
フライングで、エヴァ本体とエヴァのパイロットを別に捉え直しているのも面白い。シンクロしていることも分かるし、フライングを外す動きがエントリープラグを外すことと連動しているのも、発想力!となりました。
そして、何しろ、演者さんの身体能力よ!
使徒の「得体の知れなさ」の身体表現が凄すぎる。一体あの動きに至るまで、どんな試行錯誤が繰り返されたのか。地面に「叩きつけられている」のに、音をさせないってどういうこと?尻餅ついての逆ムーンウォークみたいな動きを滑らかにやるってどんな筋肉の使い方をしているの???
どんな踊りをしても「ドラえもん音頭」になるイシマルにどうか爪の垢を分けてください。煎じて余さず頂きとうございます。
2階センターブロック2列目からの観劇だったのですが、あの傾斜やらフライングやらの全体像が見られる良席でした。2階のサイド席も、観劇体験としては面白そう。
来月、再来月もここに参戦することになるのですが、小屋そのものが良さそうで、それも今から楽しみです。
ちなみにこのビル。全体のオリエンタルカオス感も良い感じにクレイジーなので、いずれ全フロア体感してみたい。
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明日も良い日に。
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