ロック魂これでもか!! 「ジーザス・クライスト・スーパースター」
イエスが神の子として宣教活動を始めて3年。イエスを尊敬しながらも、彼への盲従はユダヤの民全ての迫害に繋がるのでは、と危惧するユダ。
エスカレートしていく群衆の願いや望みに、カリスマ性のあるただの「人」として苦悩するイエス。
そしてユダはとうとう、民のためにイエスを裏切る。自分のためでなくてよい、貧困にあえぐ人々の為に使え、と銀貨30枚を握らされて...
裁判にかけられても無言を貫くイエスに、ピラトは申し開きを求める。無罪の人間を処刑するわけにはいかないと嘆願する。だが、失望した群衆は血を求める。他でもない、一度は神の子と称えたイエスの血を…
緞帳代わりの銀のブロック(分かるかしら…)が上下に開き、一段高いプラットフォームに仁王立ちのギタリストにスポットライトが当たる。そして、ディープパープルやオジーを彷彿とさせるギターソロが高々と鳴り響く。
か、か、かっこいいいいいいいいいいい!!!!!!!!
70年代ロック好きはイチコロのはず。
舞台上には上手と下手に鉄骨の2階建てプラットフォームがそびえ、バンドはそこでノンストップで演奏し続ける。ロックバンドに加え、フルートやフレンチホルンが入っているのも効果的。なんだこのエキセントリックなゴージャス感。
舞台の半分をプラットフォームが占めているのに、残された半分の舞台面で、ものすごい人数のアンサンブルがこれでもか!とハードでキレッキレのダンスをキメる。床面積に対するダンサーの数は、史上最高じゃあるまいか。しかもこんなキメキメの振り付け、ちょっとでも崩れたら怪我人が出るレベルだよ。誰ですか、こんな驚異の狂気を実行に移した方々は!
その中で、ハイトーンメタル声でシャウトをし続けるユダとイエスの存在感たるや。特にユダ。すごい。すごすぎる。このシャウトをシングルキャストで毎公演やるとか、どんな声帯してるんですか。もしや、ローマ帝国から受け取った賄賂の銀貨で買ったのは声帯のスペア一式なのですか。
金のグリッターの使い方も素敵。照明に照らされてしゃらしゃらと流れる金のグリッターの精油。
2幕では、この金のグリッターが民衆の憤怒として、イエスに叩きつけられる。叩きつけられるたびに、イエスの血濡れた身体は、黄金の憤りにまみれていく。こんなふんだんに金のグリッターを毎公演、使い放題したら、お掃除大変だろうなあ... 衣装とかにもつくよね、これ。お洗濯で落ちるんだろか。(余計なお世話)
ローマ帝国側が提供した銀貨30枚の賄賂の入った箱にユダが両腕を突っ込む。そしてその手は銀色に染まる。血で染まるんじゃないんだよ!銀なんだよ!! かっけーーーーーー!(ボキャ貧)
ど迫力のステージングと魂の叫びのロックオペラでありました。セリフ一切なし。全て歌詞!MCの一切ないロックコンサートの如しでござんした。
「聖おにいさん」程度の聖書の知識があると、なお楽しめるんじゃないかしら。ペテロが3回「知らない」と言った!とかね。注:雄鶏は鳴きません。
売店に売ってたユダアイスw これであなたも正義の徒!
観る予定は無かったのですが、友人に猛烈プッシュされて前日にチケットを買い足した、8月末までの限定公演。観れてよかった!
ちなみに公演会場、バービカンセンターの周辺には、ローマ時代の遺跡がちょこちょこあります。
ロンドン金融街のど真ん中に、ローマの遺跡w ウケるww
ローマ帝国時代のイエスの物語を上演するには、格好の場所だったのではないかしら。
これが72年初演ってんだから、すごいなあ。アンドリュー・ロイド・ウェバー、やっぱり天才だわ。