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耳鳴り潰し207(痛みの理由、新連載、「グッド・バイ」)

 この日は一日痛み止めを飲まずに過ごせた。
 午前中、整形外科へ。院長のおじいさん先生がいない日だが、代理の先生も総白髪だった。この日はマシだが、数日前は酷かったことなどを話して、引き続き痛み止めを貰う。リハビリ待ちの間、最近ちょこちょこいろいろな本を読んだり、読書記録には残しにくい本を読んだりしているけど、これ! ていうものを読んでいないんだよな、と気付きいろいろ検索してみる。これ! というのが見つからず、基本に立ち返ろうと太宰治へ。「グッド・バイ」軽いノリで酷い話で。おぼろげな記憶が「多分未完のやつ」と告げてくる。そうこうしているうちにリハビリ室へ。

 この日は先に首の牽引をしてもらう。前回はこの間にkindle出版ネタを三つくらい思いついた。この日もあれこれ思いついた気はするが覚えてない。リハビリ、前回は軽いストレッチ程度だったが、今回は左上半身を整体のようにがっつりやられる。腕の張りが首の痛みに繋がっているという。前回の指摘を受けて、パソコン使用時は重ねた座布団の上に置く、適度にストレッチを挟むなどしてはいる。しかし右はパッドに触れたりしても、左はどうしても同じ動きばかりになりがちである。

 そして前回の病院前日の、立つのがやっとの状態と、この日の楽な状態との違いにも気が付く。前回は午前中ぶっ通しでキーを叩き続けていた。この日の前日、娘の連合運動会のために長時間立っていた。パソコンに触れる時間がいつもよりずっと少なかった。

 つまりは「執筆によるアドレナリンで痛みを緩和できる」と思っていたが、「執筆行為そのものが痛みの発生源でもあった」という結論である。

 痛みと引き換えに私の文章は生成されているということらしい。

 あまり張らないように、教わったストレッチ方法を適度に取り入れながらやっていこう。

 息子が帰ってきておやつを食べている最中に、私はどこに出したらいいかよくわからないものを書いていた。午前中に書いた架空書籍の原案を形にしていた。書いているうちに、これは鈴木(本人)先生の新作であり傑作「絶対死にたい子」に対するアンサーソングのように思えてきた。かつて息子とのドラゴンボールごっこの最中に、ベジータとフリーザの純愛を描いた鈴木先生の作品を思い浮かべていた日々が蘇ってきた。

 というわけで書き上げた「腎臓ボール-伝説の七つの結石を求めて-」を「青春小説集」の一編として新都社に投稿。

「ソフトBL小説集」「ちんちん小説集」「恋愛小説集」に続く、山下チンイツ名義のコンセプト小説集。新都社向けのネタを思いついた時に更新される予定です。

やっぱり「グッド・バイ」は未完だった。

 今日の一枚「全身キーボード」


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泥辺五郎
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