耳鳴り潰し142(穂村弘とデスノートごっこ)
Kindle Unlimitedの講談社大盤振る舞いはやはり7、8月限定。9月は小学館特集。穂村弘「ラインマーカーズ」読了。穂村弘短歌選集。特に誰にも言ってなかったけれど、noteを始めたきっかけとして「穂村弘みたいなエッセイを書きたい」という目論みがあったことを思い出した。今は短歌という別の形で穂村弘に接触している。
久しぶりに穂村弘の短歌を読んで気付いた。自分の短歌を見返すと、恋に関しての歌がない。身体の具合がどうとか、子どもと観たアニメのこととか、トイレが詰まったから夜中にドンキに徒歩でラバーカップを買いに行くとか、そんな歌ばかりである。
パンクを直しに自転車屋へ。修理待ちの間は店の中央にあるテーブルの前に座って待つ。子どものおもちゃがたくさん並べてある。この店の子どもが実際に遊んでいるのは、ずっと前に一度見たきりだ。
「スポークが一本折れて刺さってました」とのこと。結構危ない。
「一本折れているぐらいでは大丈夫でしょうけど、走行中ぐらぐらし出したら交換ですね」
外でイヤホンを使って音楽を聴くことをしなくなったので、その後の買い物中にもあれこれアイデアを練る。それでいて進めるのは一番気楽なものから始めている。
「生成画像付き短歌集(31~40)」追加。ラバーカップの一件以降、短歌と関わるのが楽しくて仕方がない。
息子との新しい遊びとして「デスノートごっこ」が加わる。死神リューク役の私がデスノートに見立てたノートを床に落とす。
「面白い人間が拾うといいな」
そこに息子の動かす各種ぬいぐるみがトテトテとやってきて、デスノートに触れてしまう。
「あー、ハリネズミかよ、動物がデスノート持っても使えねえだろ。仕方ねえ、一応説明に行くか」
しかし動物たちはリュークの話を聞く前に既にデスノートに何か書き込みまくっている。
「エサ欲しい」とか「うんこ」とか。
「俺の話を聞け」とリュークである私は怒る。
「俺の名は死神リューク」
ハリネズミは「なんて?」とデスノートに書く。
「いやそういう使い方じゃねえから」
「聞こえなーい」とまた書く。
「バスジャック犯やって!」と息子からのリクエスト。アニメ第4話「追跡」の一場面である。もちろん私はリュークもやりながら。
バスの運転手に拳銃を突きつけ、乗客も脅す。奥の方の座席にも誰かいないか見回っていると、ノートを持った小動物を発見する。
「何だこのノート? てか何でハリネズミ(あるいは犬、猫)がバスに乗っているんだ? まあいいか」
ノートを放り出すバスジャック犯。デスノートに触れたことにより、死神が見えるようになり、突然現れたリュークの姿に怯えだす。原作通りのやりとりを、私が立ち位置を変えながら演じる。
しかし原作と違う点も出てくる。デスノートにはハリネズミがバスジャック犯の死の直前の状況を詳細に記しているため、「ノートに触れた犯人は、全裸の死神に怯える」「うんこの水着を着ている死神に怯える」といった行動を取る。
お風呂場でも同様の遊びをした。デスノートをおさるのジョージが拾っていた。
「一番渡したらあかんやつや!」
TOP画像は、「海辺にいたハリネズミがデスノートを拾う。サーフボード代わりにしながら海でデスノートを使っている。人類の大半が滅ぶ」という息子作のシナリオの一場面を再現したもの。