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グリーンピース オン ザ シュウマイ

シュウマイにグリーンピースがのりはじめたのは昭和30年代です。

当時、子供たちの憧れの的だったのは、白くてなめらかな生クリームの上に、キラキラと輝くイチゴがのったショートケーキでした。

「子供達にもっと給食を楽しんでもらいたい」、
と常日頃から思っていた給食メニューの開発者たちは、そんなショートケーキに目をつけました。
そして、ケーキの上に鎮座するイチゴを真似て、シュウマイの上にグリーンピースをのせたのが始まりだそうです。

日本独自のこのスタイルは、子供たちに大変好評だったようで、彩りや、栄養面でも良しとされ、その後も定着しました。

時代背景もあると思いますが、私が子供の頃はみんな、シュウマイの上に乗っているグリーンピースを嫌がっていました。

「給食を楽しんでほしい」、という願いが込められた緑色に輝くグリーンピースは、マクドナルドを知ってしまった野菜嫌いの子供たちには、あまり受け入れられていませんでした。

苦肉の策に、コーンが一粒載っているシュウマイもありましたが、緑色から黄色に変わっただけで、子供たちにとっては親の小言の如く、ただのお節介にうつってしまっていたようです。


最近では本格的な中華料理が食べられるようになり、シュウマイの上のグリーンピースを見かけることは少なくなりました。

子供の頃はあんなにうっとうしく思っていたグリーンピースですが、いざなくなってみると、なんとなく物足りなさを感じてしまいます。

親の小言もグリーンピースも、なくなってみると案外寂しいものですね。


ちなみに私は、グリーンピースを取り除いたあとにできる小さな穴ぼこに、醤油をちょこっと垂らして食べるのが好きでした。

もしグリーンピースが乗ったシュウマイを食べる機会があったら是非やってみてください。
童心に帰れること請け合いです。





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