いったい誰のためにこんな映画を作ったのか?
朝からお下劣な映画を見ました。
「ピンクフラミンゴ」という可愛らしいタイトルからは想像できないくらいお下劣な映画。
世界で一番お下劣な女という称号を持つ「ディヴァイン」
いやいや、私達の方がお下劣だという「コニー&レイモンド夫妻」
どちらが世界で一番お下劣か決めてやろうじゃないかという、なんとも不毛な戦いを見守る約2時間の映画です。
出勤前の空き時間に見始めたので、半分程鑑賞したところで午前の部は終わり。
出勤時間が迫っていました。
私が仕事に行っている間に、幼稚園から帰ってきた娘が間違って再生したら大変だと思い、いったんDVDを取り出してケースにしまいます。
そして出勤。
職場へ向かう電車の中でも頭の中はピンクフラミンゴでした。
ジョン・ウォーターズ監督はいったい誰のためにこんな映画を作ったのか?
後半はどんなお下劣な事が待ち構えるのか?
そんな事を考えながら出勤します。
たやすく想像できるとは思いますが、もちろん仕事中も頭の中はピンクフラミンゴでした。
「早く帰りたい。早く続きが見たい。」
一心に願いながら仕事をこなしていきますが、
そういう日に限ってなかなか帰れないのが人生というものですね。
やっとの思いで仕事を終わらせ帰宅した私は、妻と娘が熟睡してるのを確認してから、静かにシャワーを浴びます。
そして、ドライヤーを「弱」にして髪を乾かし、冷蔵庫から缶ビールを取り出します。
音を最小限に抑える為、髪を拭いていたタオルで包みながら缶ビールを開け、いざピンクフラミンゴへ。
後半戦も相変わらずお下劣な戦いが続き、戦に勝利した「ディヴァイン」が本物の犬のウンチを食べてエンドロールに突入しました。
少し酔いもまわり、ニヤニヤしながら映画鑑賞を終えた私。
もう頭の中はピンクフラミンゴでいっぱいです。
余韻に浸りながらベッドに横になり、
いったい誰のためにこんな映画を作ったのかとふたたび考えます。
映画の事ばかりを考えて、ろくに仕事に集中もできないで、
妻と娘が寝静まった真夜中に帰宅して、
音も立てずに缶ビールをすすり、
ひっそりと一人暗い部屋で下品な映画を見る。
どうやら、そんな私のような人のために作られた映画のようです。