パクチー、チャンツァイ、おばあちゃん

独特な風味で好き嫌いが別れるパクチーには、いろんな呼び方があります。

中華料理で登場する場合は「チャンツァイ」と呼ばれ、英語圏では「コリアンダー」と呼ばれています。
コリアンダーと呼ばれる場合は、主にスパイスとして使われる場合が多いですね。
また、正式な日本名ではその独特な匂いから「カメムシソウ」と名付けられています。

ちなみに「パクチー」と呼ばれるのは、タイ料理などエスニック料理で使われる場合が多いです。

これだけ呼び方があると困惑してしまいますが、それだけ世界中で愛されている食材と言うことですね。


実は私の祖母にも生前、いろんな呼び方がありました。

花道、茶道、書道、3つの道の先生をしていた祖母には、それぞれに雅号(芸名のようなもの)があり、本名を入れて4つの名前を使い分けていました。

そんな祖母は年末になるといつも忙しそうでした。
水墨画も嗜んでいたこともあり、年賀状には一枚一枚手書きで干支を描き、宛名や住所も墨と筆を使いすべて手書きで何百枚も書いていたものです。
そこには祖母の本名が記されたものよりも、別の名前が記されたものがほとんどでした。

もちろん、祖母宛に届けられる年賀状にもそれぞれ違う名前が書かれているので、私は仕分けをしながら幼心に「不思議だな」といつも思っていました。


数年前の話ですが、実家に帰った時にふとしたことから祖母の話題になりました。
30半ばの年にして、その時はじめて知ったのですが、実は祖母と私は血が繋がっていなかったのです。

両親と姉は、「えっ、知らなかったの?嘘でしょ、ウケる」と言って大笑いしてた様子を見ると、親族の中でも知らされていなかったのはどうやら私だけのようです。

「どうりで、私は字もきたないし、絵も下手くそなわけだ」
と妙に納得してしまいましたが、そういう大事なことはもう少し早く言って欲しいものです。

家族ってほんと、おかしいですね。


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