華麗なる闘痩6 煉獄編

◆前回までのあらすじ
楽勝で74kgまで痩せ、チョロかった。

燕尾服に袖を通した私が玄関を出ると、初老の運転手が恭しくリムジンのドアを開けた。微かに頷いて乗り込むと車は音もなくネオンの海を滑り出した。

74㎏記念パーティ会場に向かって――。

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笑いさざめく紳士淑女たちが一斉にこちらを見る。パーティの主役である私のの到着に歓声が上がる。
まばゆいフラッシュ。
私は軽くシルクハットのふちに手を添え、それに応える。
どうも。74㎏です。はっはっは。なんのなんの。サインですか、構いませんよ。

そんな夢のような夜が明け、新しい日々が始まる。
さて、温室の薔薇たちに水をあげ、孔雀たちに餌をあげる時間だ。そのあとはチェロの調弦でもしようかな。おっとその前に体組成計に……。

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夢ならば どれほど 良かったでしょう。

おいおいなんだこの数字は。アンナチュラルだろ。一気に目が覚めた。
華やかなパーリィに行ってプールサイドでドンペリを飲んだ気がしてたが、たこ焼き屋でハイボールを飲んでいただけだったし、薔薇も孔雀もいないしチェロも持ってなかった。

一体、何を飲み食いしたとしても一夜にして体重が3㎏も増えるものなのか? そういえば栄華を極めたアトランティスも一夜で海中に没したという。つまり私はアトランティスの末裔ということ? ハルマゲドンに備えて早く転生した戦士たちを集めないと。

我々はその謎を追うためにバーガーキングに飛び立った。
ダブルチーズバーガーセットとチキンナゲットを下さい。

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な~に。こうなったら一人殺すも二人殺すも一緒ですよ……。



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