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藤原みそこうじ店・藤原くんとの出会い
藤原くんと初めて出会ったのは、2016年か2017年。
彼が「くど」にランチを食べに来てくれたときだった。
ちょうど、京都から鳥取の若桜に移住し、味噌屋を始める前後だったと思う。
「移住して味噌屋?
変わった人が来たな(面白そう!!!)」
そんな第一印象を持ったのを覚えている。
その日は長い時間話をした。
自分は天然の麹菌のことをずっと思い続けていたので、これみよがしに「天然の麹菌でトライしてほしい!」と猛プッシュした。
藤原くんも、自然・米・生産者を結ぶ味噌屋を目指していたので、
「蒜山耕藝の自然栽培米で味噌を仕込みたい」と言ってくれた。
それが始まりだった。
天然の麹菌の採取成功
1年後、藤原くんから連絡があった。
「麹菌、採れました!」
正直、半信半疑だった。こんなに早く?!
でも、ちゃんと糖化酵素も出ていて、甘酒や味噌にもなった、と。
さらに年を重ねるごとに採取も安定し、大学の検査(毒素を出さないかどうか。これ重要)もパス。
遂に「FWH(fujiwaramiso.wakasa.hiruzen)天然麹菌1号」が誕生した。
↓詳細は藤原みそこうじ店のHPに
ゼロからのスタートでも、麹菌は降りる
自分の米に麹菌が降りたこともすごく嬉しかった。
でも、それ以上に、ゼロからのスタートでも麹菌は採取できるという事実が何よりも嬉しかった。
藤原くんの実直で素直な人間性、そして溢れる熱意があったからこそ、実現したのだと思う。
彼の姿を見て、「真面目に取り組み続けていれば、必ず実現できる」という当たり前のことを、改めて気づかせてもらった。
そして、その麹菌で味噌を仕込んでもらった。
自分で育てた自然栽培米と大豆、亀治に降りた天然の麹菌で仕込んだ味噌。
数年前までは考えもしなかったことが、たった一つの出会いから現実になった。
出会いがなければ、どぶろくもなかったかもしれない
藤原くんとは、米や大豆、味噌の受け渡しのために年に数回会う。
自分は田畑の中での気づきを話し、藤原くんからは天然の麹菌を扱う難しさと奥深さを学ぶ。
この関係性が、刺激的で心地よい。
ふと思う。
もし、彼との出会いがなかったら──
今、自分はどぶろくをやっていただろうか?
やっていたとしても、天然の麹菌での醸造に取り組むのは、ずっと先だったかもしれない。
理想を抱くだけで、具体的な行動には移せていなかった気がする。
自分には導師が必要で、必要なときにそういう出会いが起こる。
自分はそれを「自然栽培的な出会い」と呼んでいる。
これからの出会い、そして自分自身の役割
これからも、そんな出会いがあるだろう。
そして、今度は自分も誰かにとって、そんな存在になれたらと思う。
自分にとって、自然栽培と天然の麹菌は、それをブーストさせるもの。
予想外の展開を引き寄せ、未来を開いてくれる。
だからこそ、今この少しおかしくなりかけている世界でも、
前向きに生きていけるのだと思う。