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もの想う空間を、長くゆっくり歩く旅・みちのく潮風トレイル 陸中宮古〜田老
気仙沼大島から釜石へ向かい一泊、翌日釜石から宮古市へ向けて1日かけて移動。この二日間は、50ccバイクや自転車ではとても嫌な霧雨に終始降られて、なかなかハードな移動になりました。それも、この類の旅の魅力ならではと、終わった後には思えますが、行動中は大変ですね。それでも、灰色の空の下でも、目に見える景色はどれも印象的で、フィルムの本数限定してしまったのを後悔するくらい、もっとたくさん撮りたかったという気持ちがあります。枚数撮ればそれだけ、良いものが撮れますが、逆により厳選する事で自分の今を見つめるという狙いもあったので、その時はその時の選択があるものですが。
宮古市の国民休暇村のテントサイトをベースに週末2日間を田老方面で1日、浄土ヶ浜・宮古市街地方面で1日、みちのく潮風トレイルを歩きます。旅を始めて1週間、久しぶりに1日使ってトレイルを歩けるのは、とても楽しみでした。予報通りに天気にも恵まれて、柔軟に判断して計画を動かして良かったと思っています。
土地勘がないので、トレイルの行程を考えるのがやや難しかったのですが、当初はピストンという往復で歩く範囲で時間を見て行こうと思っていたのですが、田老は、電車やバスを使えばキャンプまで戻れる、浄土ヶ浜・宮古市街地方面も同様。最終が夕方ですが、間に合わない時間ではないと、途中で判断して、どんどん先を行くことにしました。
みちのく潮風トレイルは、登山ほど、道迷いの心配もなく、しっかり見て入れば道標がわかりやすいところにあって、とても歩きやすいです。起伏ややや緩んだ土壌の道もありますが、基本的には身体を動かす上でのハードさというのか、フィジカルとでも言えば良いのか、そういう要素の楽しみ方よりも、この地域の自然を体感することや震災の遺構などを見ながら、自然と向き合うことにテーマがあるようで、私には、普段行くような登山(ももちろん好きだし楽しいし、いろいろな発見のある旅ですが)よりも、とても意味深く歩きがいある、素晴らしい時間になったのでした。
ちなみに写真には撮っていないのですが、陸中宮古〜田老間はゴルフ場の中を歩くコースがあって、なかなかシュールな体験をした気がしています。ゴルフ場を抜けた後は、看板を見落とし、全然関係のない山の中に入って危うい手前まで行きかけました。単純に地図を見ながら歩いていて、とてもわかりやすい看板を見落としたというイージーすぎるミス。ここで大幅に時間をロスしてしまいましたが、お昼ご飯をメスティンで炊く予定でしたが、ライターを忘れて火を使えなかったので、行動食だけでなんとかつなぎ、かつお昼時間を結果的に省くことになったので、時間は相殺。なんとも言い難い思いです。
少し写真の話をすると、別のカメラに最後の記録カラー100を入れて、simple useにはコスパ事情から三本セットのFujicolor Super Premium 400という比較的明るいフィルムを装填していました。青が一番よく出るのは、生産終了した400Hかなと思うのですが、Fujicolorは自分の好みの青がよく出る印象があります。ただ、夕陽に照らされる優しい光を捉えるのがあまりうまくいかない気もしていますが、全体通して、この旅をよく描写してくれていると、改めて思っています。
時期は10月半ば、天気が良ければまだまだ暖かくもありましたが、シーズン終盤のせいなのか、土日なのに、すれ違った人、追い抜かれた人など、ほとんどいませんでした。静かに海を眺めて、もの想う空間を歩けました。
田老に着いたら、最後、震災以降の田老観光ホテルを外側から見学して、道の駅でご飯を食べて電車かバスの予定でした。田老観光ホテル外観を見学していると、たまたま案内スタッフの方がいらっしゃり少しだけ話をしていたら、みちのく潮風トレイルの話で盛り上がり、道の駅に隣接しているインフォメーションセンターでローカルテレビ番組で取り上げられた映像を見せてくれました。翌日の浄土ヶ浜方面のルートの情報も得られ、現地の人と少しでも話ができて嬉しかったのはいうまでもなく。
震災から少しずつ復興してきた矢先のコロナ。人が減って辛いような話も。
結局、電車の時間はすぎてしまったので、バスと歩きでキャンプまで戻ることにしましたが、最後に本当に良い時間を過ごせました。夕方ということもあり、道の駅の看板フードはほとんど売り切れ。
田老ルートを歩くなら、南北どちらかのスタートにもよりますが、パートごとに歩くなら、田老スタートにして、出発に道の駅でお弁当を調達して行くのも良いかもしれません。田老からさらに北側へ向かうのも、それが良いのかもしれないですし。営業時間考えると、あまり朝早い出発には向かないからランチ時に田老を通る行程にしても良いのかもしれません。
長い距離をじっくり歩く、自分の大好きな旅の仕方。自身の国内最北の地を仙台、石巻から一気に岩手県宮古市まで更新しました。とにかくこの地域が好きになった1日でした。
ありがとうございます。
Lomography Simple Use
Fujicolor Superia Premium 400
Michinoku Costal Trail, Miyako Iwate
iPhoneで撮影、リアルタイムでアップしていた写真はこちら
マガジンも作っています
Instagramでは別のカメラで、最後の記録カラー100で撮影した写真をあげています。良ければこちらも見ていただければ。
今月19日まで、フォトカノン戸越銀座店で開催中の「PHOTO2021」に、昨年の東北の旅で撮ったフィルム写真で一枚参加しています。
会期中はこちらのnoteでは旅の道中、simple useというフィルム交換のできる写るんです的なカメラで撮影したフィルム写真の中で再び2021年に旅した三陸海岸沿いの旅を記して行きます。
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