風の旅、道は南へ
釜石で一泊して、気仙沼大島へ再び向かう移動日。一気に気仙沼大島まで移動してしまい、ささっとテントを張ったらゆっくり島時間を楽しむのも良いのかもしれませんが、一度、大槌町へ再度、北上しました。
復路でこの浜の横を走り去った時、ここがその砂浜とわかっていたわけではなく、どこか心に引っかかる景色だったので、おしゃっちに寄って見たり、宿でネット検索などしていて、その引っ掛かりが、津波により砂浜が消失してしまった浜だからだということがわかりました。今はその砂浜の再生が研究されながら事業が進んでいました。
ひたすら続く巨大な護岸の向こう側には、綺麗な砂浜が広がっているのを、みちのく潮風トレイルで歩き、バイクで仙台から宮古まで北上するまで何度も見た景色でした。ただ、あれだけの津波が押し寄せて、砂浜が持っていかれなかったのか、それとも戻ってきたのか、色々考えていました。すべての砂浜が無事であるわけがないと、どこかで思ってもいました。
この浜もみちのく潮風トレイル。大槌町エリアになるのかと思います。
宿泊すらせず、行き帰りにほんのわずかな時間だけ立ち寄っただけなのに、理由もわからずひかれる何かを感じる土地。もう一度、時間をかけてゆっくり歩きたいです。後で、知ったのですが、大槌町、自分の母校が交流を持っている地域らしく。自身は、大学内の活動にはほとんど無縁なくらい、サークルや集まりなどには参加はしませんでしたが、自由な雰囲気の中で、自分が形成された掛け替えのない4年間でもあり、その地場がどこかで繋がったのかもと、勝手に思っています。本当に勝手に思っているだけです。でも、何だか嬉しいです。
大槌町を出てから、いよいよ南下するのですが、その前に、釜石観音へ寄って見たら、時節柄、開いていませんでした。賑わいのある時の景色を知りませんが、参道が静まり返っていて分厚い曇り空の下の雰囲気が独特な空気を出していました。
道中は、霧雨に降られたり、何とか降らずに行けたり、その繰り返しでしたが、曇っていて、50ccとはいえ風を全身で浴びる10月の東北は寒い。手袋をしていても、痺れが出るし、運転の集中が、何かを通り越して意識が薄くなり、眠くなってきてしまいます。道の駅などで少し長めの休憩を取りながら、ようやく着いた大船渡。気仙沼大島に復路のベースを貼ったら、大船渡のみちのく潮風トレイルを歩く予定で、バイクを停めておく場所のリサーチや、街の中を散策していました。気仙沼や大船渡は水産の盛んな街。ご当地ラーメンを紹介しているリーフレットを見つけ、バイクを停めた盛駅前の駐輪場から歩いていける中華屋さんでお昼。時間帯が少し遅かったこともあって店内は空いていましたが、街の中華屋さんという雰囲気が好きで、ご飯も美味しかったです。看板がどこか独特だったので、一枚撮ってしまいました。
大船渡市も広くて、なかなか行きたいと思った場所全てを回る時間を確保するのが難しく、今回行けなかったところがたくさんあります。駆け足で回ったようなところも。時間はたっぷりあったはずなのに、よくばりすぎているのかもしれませんが。今回のような長期間の時間をとって旅をするというのは、予算的にも難しいものがあるので、なかなかできないですが、それでも、今後も継続的にこの地域へ足を運びたいと思うのは、震災があったからというのが、一つのきっかけではありますが、それ以上に惹かれるものがあるのかもしれないと、今、東京にいながらも、写真をなぞる旅をする中で、改めて思っています。
Lomography Simple Use
Fujicolor Superia Premium 400
Otsuchi, Kamaishi, Ofunato
今月19日まで、フォトカノン戸越銀座店で開催中の「PHOTO2021」に、昨年の東北の旅で撮ったフィルム写真で一枚参加しています。
Web上でも見られるようになりました。スマホでも見れますが、写真だけでなく全ての鑑賞作品がそうであるように、できるだけ大きな画面で見ていたければ、作品の魅力がより伝わってくると思いますのでお薦めします。
会期中はこちらのnoteでは旅の道中、simple useというフィルム交換のできる写るんです的なカメラで撮影したフィルム写真の中で再び2021年に旅した三陸海岸沿いの旅を記して行きます。