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何も知らなかったのに、何かに気づき、魅せられて、また会いたくなる -気仙沼大島-
気仙沼大島をベースにしたキャンプを発つ日の朝。
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枚数限られているフィルムで何枚も同じように撮っているあたり、ここから見る景色が日常のような感覚になっていたのだろうと思います。と言っても、往復で6泊8日しかしていないのですが。
気仙沼大島、橋がかかったのは実はこの数年の事というのも、最近まで朝の連ドラの舞台になっていたことも知りませんでした。三陸海岸をテント泊しながら旅する時、キャンプ場はどこにあるかと調べて、気仙沼に良いところを見つけたという事以外、何も思っていなかった自分に最終日にはっとしてしまったのですが。橋がかかることの生活の変化や、いろんな人たちの思いがそこにあったと思うし、今も暮らしの中であるのだろうなと想像する事を、もっと早くにできていたら、前半の動き方ももっと変わっていたかもしれません。
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この日は、三陸町のキャンプ場に一泊するので、行きのように石巻までほどの距離は走らないため、午前中、歩ける限り、気仙沼大島を歩いて見ることにしました。もちろん、気仙沼大島もみちのく潮風トレイルがあります。島を一周するには時間が足りませんでしたが、キャンプ場のある休暇村の宿泊施設の前にバイクを置かせてもらい、敷地内のハイキングルートと、みちのく潮風トレイルが重なっている道から、亀山まで登り、コーヒーと焼きドーナツで一休み。フェリーが停泊しているウェルカムターミナルへおり、南の浜から休暇村へ。
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前述した通り、6泊もして、なぜ最後の最後でこの島に惚れるのか。もっと早くに気づいていたら、一日中島を歩き回っていたのに。まぁ天気も天気だったので仕方のないことですし、ここにベースキャンプを張れた事で色々回ることができたので、感謝の思い。
今、こうして再び、気仙沼大島の景色を写真の中で辿り歩いていても、またすぐ実際に行きたくなってしまう。橋がかかっていなかったら、自分には無縁でした。海沿いを歩けば、対岸に気仙沼市街地。漁船の停泊してある通りは、朝に通っても、夕暮れ時に通っても美しい。向こう側の街の灯を見ていると、この10年についても、これから先の事も想う。そして今を。
これを書いている今日は、阪神淡路から27年…
海と共に気仙沼の灯りを見ていると、神戸の情景を想い…
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島々の空気、自分が知るのは沖縄の島々がほとんどですが、独特の空気があって、南の島と東北三陸の自然環境は大きく違うのですが、きっと何かで繋がっているのかもしれないと思っています。心の落ち着く場所。ずっと海を見ていられる。自然とは、時に大きな牙を向き、何百キロにも及ぶ沿岸部を津波が飲み込むこともある。311だけじゃない、明治時代やもっと昔の時代から、それでも海と生きている想い。誰かに会って話を聞いたわけでもなく、このご時世、誰かに会いに行く、会いたいというわけでもないただ一人、景色の中を行く旅でしたが、強さと優しさの空気を、なぜかはわかりませんが感じる日々だったと思っています。
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この後、仙台へ戻りバイクを返したら、東京へ帰るわけで、すでに今もう東京に帰ってきて数ヶ月経っているわけですが、自分の家があるはずなのに、東京へ帰るという感覚にどこか不安や違和を感じているのは、ただ自分が旅するように生きたいと思っているからだけではなく、あまりにも違う空間に、ずっと暮らしてきた街であるはずなのに、戸惑いが出てくるようになってくる理由が少し見えた気がしました。
Lomography Simple Use
Fujicolor Superia Premium 400
Kesennuma Oshima
毎回、文頭か文末にご案内をしているとおり、今月19日まで、フォトカノン戸越銀座店で開催中の「PHOTO2021」に、フィルム写真で一枚参加しています。
今週の水曜日までです。会期中はこちらのnoteでは旅の道中、simple useというフィルム交換のできる写るんです的なカメラで撮影したフィルム写真の中で再び2021年に旅した三陸海岸沿いの旅を記して行きます。
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