ポジショニング戦略とは?マーケティングで差別化し顧客に選ばれる方法
こんにちは!
今回は「ポジショニング戦略とは?」です。聞いたことあるけど、いまいち理解していない方に向けて、なんとなくわかる!をゴールに説明していきます。
ポジショニング戦略とは?マーケティングで差別化し顧客に選ばれる方法
現代の市場は、多くの商品やサービスであふれており、顧客は選択肢に迷ってしまうほどです。そんな中で、顧客に「選ばれる」ためには、自社の商品やサービスをどのように顧客に認知させ、どのような価値を提供するのかを明確に示す必要があります。
そこで重要となるのが、「ポジショニング戦略」です。
ポジショニング戦略とは、顧客の心の中に自社の商品やサービスの明確なイメージを築き、競合との差別化を図るマーケティング戦略です。
ポジショニング戦略を成功させることで、顧客は自社の商品やサービスを容易に認識し、その価値を理解し、購買行動へと繋がりやすくなります。
例えば、スターバックスは、「サードプレイス」(自宅でも職場でもない、くつろげる場所)というポジショニング戦略によって、他のコーヒーショップとの差別化に成功し、多くの顧客を獲得しています。
ポジショニング戦略は、新規事業立ち上げ、既存事業のてこ入れ、ブランドイメージの構築など、様々な場面で活用できます。
ポジショニング戦略の4つの種類
ポジショニング戦略には、大きく分けて以下の4つの種類があります。
属性ポジショニング:製品やサービスの属性や特徴を強調する戦略。
例:高品質、高機能、安全性、耐久性など
競合ポジショニング:競合との差別化を明確にする戦略。
例:「〇〇より安い」「〇〇より高性能」など
ニーズポジショニング:顧客の特定のニーズに焦点を当てる戦略。
例:「忙しいビジネスパーソン向け」「健康志向の女性向け」など
価格ポジショニング:価格を基準に差別化を図る戦略。
例:「低価格」「高級路線」など
ある架空の企業のケーススタディを通して、それぞれのポジショニング戦略をもう少しイメージできるように解説します。
ケーススタディ:オーガニックコスメブランド「 Natural」
Naturalは、自然派志向の女性をターゲットに、高品質なオーガニックコスメを販売するブランドです。競合ひしめくコスメ市場において、Naturalはどのようにポジショニング戦略を展開していくべきでしょうか?
1. 属性ポジショニング
Naturalは、製品の属性や特徴を強調することで、顧客に独自の価値をアピールします。
強調する属性:
100%天然由来成分
肌への優しさ
環境への配慮
高い保湿力
厳しい品質基準
具体的な施策:
製品パッケージに天然由来成分を明確に表示
肌への優しさを示す臨床試験結果を公開
環境保護への取り組みをウェブサイトで紹介
インフルエンサーに商品を体験してもらい、使用感や効果をSNSで発信
2. 競合ポジショニング
競合ブランドとの差別化を明確にすることで、顧客にNaturalを選択する理由を提供します。
競合との比較:
競合ブランドA:低価格帯、大量生産
競合ブランドB:高級路線、製品開発過程で動物実験実施
Naturalの差別化ポイント:
競合Aよりも高品質だが、競合Bよりも手頃な価格
動物実験を行わず、倫理的な生産体制
環境に配慮したパッケージを採用
具体的な施策:
広告やウェブサイトで、競合との違いを明確に示す
価格と品質のバランスをアピールするキャンペーンを実施
倫理的な生産体制や環境への取り組みを積極的にPR
3. ニーズポジショニング
ターゲット顧客のニーズに焦点を当てることで、共感を呼び、購買意欲を高めます。
ターゲット顧客のニーズ:
自然派志向
肌への優しさ
環境への配慮
美意識
社会貢献意識
具体的な施策:
自然派志向の女性に響く広告メッセージを作成
環境保護活動への参加を促すキャンペーンを実施
社会貢献活動を行う団体への寄付
4. 価格ポジショニング
価格を基準に、ブランドイメージを構築します。
価格設定:
競合Aよりも高価格帯、競合Bよりも低価格帯
ブランドイメージ:
手頃な価格で高品質なオーガニックコスメを提供するブランド
具体的な施策:
価格に見合った価値を提供することに注力
高品質な成分や製法をアピール
これらで重要なのは、それぞれの戦略を単独で考えるのではなく、ターゲット顧客や市場、競合などを考慮し、最適な組み合わせを見つけることです。
ポジショニングマップの作成
ポジショニングマップとは、顧客の認識における自社と競合との位置関係を視覚的に表した図です。図解にすることで、視覚的にもイメージしやすく整理できます。
作成手順としては、
縦軸と横軸を設定する:製品やサービスの属性や特徴、顧客ニーズなど、重要な要素を2つ選び、縦軸と横軸に設定します。
競合をプロットする:主要な競合を、設定した軸に基づいてマップ上にプロットします。
自社をプロットする:自社の商品やサービスをマップ上にプロットします。
分析と戦略立案:マップ上の位置関係を分析し、自社のポジショニング戦略を検討します。
先ほどの架空ブランド、オーガニックコスメブランド「 Natural」を例にこちらも考えてみましょう。
1. 軸の設定
ここでは、コスメ市場において重要と考えられる「価格」と「自然派志向」を軸に設定します。
縦軸:価格帯(高価格帯 ←→ 低価格帯)
横軸:自然派度(自然派 ←→ 化学成分重視)
2. 競合のプロット
Naturalの主要な競合ブランドを、それぞれの価格帯と自然派志向の度合いに基づいてマップ上にプロットします。
競合ブランドA:低価格帯、化学成分重視
競合ブランドB:高価格帯、自然派志向
競合ブランドC:中価格帯、中間
3. 自社をプロット
Natural は、競合ブランドBよりも低価格帯で、競合ブランドAよりも自然派志向を強みとしています。
これらを整理した際、以下のようなマップイメージとなります。
改めてマップから分析していくことで、
Natural は、「手頃な価格で高品質なオーガニックコスメ」というポジショニングを目指す。
競合Bとの差別化ポイント:価格
競合Aとの差別化ポイント:自然派志向
今回は簡易的におこなっていますが、実際の市場状況や競合の動向、自社の強みなどを総合的に判断しながら示唆を出していくと良いでしょう。
まとめ:ポジショニング戦略で競争優位性を築こう
ポジショニング戦略は、顧客の心の中に自社の商品やサービスの明確なイメージを築き、競合との差別化を図るための重要なマーケティング戦略です。
ポジショニング戦略を考えていくことで、顧客に選ばれ、市場で競争優位性を築くための思考錯誤ができるでしょう。
以上「ポジショニング戦略とは?」でした。