【ボン】極めて私的なSLAM DUNKの話【ボボォン】
12/3、公開初日に映画『THE FIRST SLAM DUNK』を観て来た。
家から映画館まで徒歩5分程度なので、レイトショーの時は就寝準備バッチリで観に行くことも多いのだけれど、しまった、公開初日でしかも土曜の夜ともあれば予想出来たことだが、キャパ90%ほど埋まった映画館でのベッドイン万全スウェット鑑賞は、生きているだけで恥を巻き散らかしている自分でさえ、些かの恥ずかしさを覚えた。
26年も前の漫画をわざわざ公開初日に観に来る人なんて、自分のような会話の例えが野球かスラムダンクかの二択になってしまう、語彙弱懐古コンテンツおじさんくらいのものだと思っていたので、油断した。
自分にとって大切な作品の一つなので、ネット上にこれから広がるであろう「面白かった/面白くなかった」や「大考察!」なんぞに、自分の感想を左右されたくないので早く観て、早く今のこの大切な気持ちをしたためておこう、という寸法なのである。
以下、ネタバレ注意。
情報公開もほとんどされていない、出てても拾ってもいない状態だったので、そもそもどういう構成なんだろう?焼き直し?新編?武里?三浦台?やっぱ三浦台?村雨!?三浦台・村雨・失神の3連単!?!?おいおい花道ボウズじゃねーか高砂パス後だろじゃあ三浦台こねーじゃんふざけんな村雨出せ金返せオラァ!!!
と感情に鬼ドライヴかかってたものの始まって10分くらいしたら
りょーちん?りょーちんか!?いいじゃんりょーちんこ!いいぞもっとやれアァァァアア山王だァ山王じゃんウゲロォォォオイオイ山王戦やんの!?死ぬ!死ぬて!やめて殺して!!
と、もう最初の方から既に涙止まらなかった。
井上先生ありがとう!井上先生ありがとう!!
心の中で叫びながら観てて内容全然頭に入って来ない頭白い深いやばい緊急搬送されるかと思った。
なんだか思えば、庵野ありがとう!とか、安彦ありがとう!!とか、又吉ありがとう!!!って、クリエイターに感謝ばかりしているnoteである。
でも僕の最推しは富野だから富野新作はよ!富野に新作作らせろ!アニメ業界は何やってんだよ!!大体サンライズもサンライズでよぉバンナムに……っとイカンイカンつい取り乱した。
そういえば以前、中学時代のYという同級生の話でも書いたが
この頃の僕たちはスラムダンク、ひいてはストリートバスケに猛烈にハマっていた。
記事中にもある通り、当時のYとの共通の趣味はスラムダンクとTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTだったので、主題歌をチバユウスケ氏が歌っていることには劇場で謎の高まりを感じた。ラロケ!ラロケ!
なんというか、中学時分のYや僕らの感性は中々に良かったんじゃないか、という誇らしさみたいなものさえ感じてしまった。
んで作品の感想の大部分はというと、めっちゃバスケの試合観たわ、バスケってめっちゃ面白ぇよな、だった。
漫画の中の試合の描写は止め絵なので、その間は読者が想像で補完するわけだけど、読みながら頭の中で繋げていた動きと、ほとんど相違ない映像になっていてすげぇ、というのが印象的だった。特に沢北が空中で3人かわすとことか。
と、ここまで書いて、あぁ私は「深津をほめるおじさん」道を爆進中だな、と思った。
「深津をほめるおじさん」
スラムダンクが好きな人、かつネットテキストを読むのが好きな人には超が3つくらいつくほど有名な記事だが、世の中の9割の人間には初耳かもしれないので、一応リンクを載せておく。
折にふれ読み返してしまう、大好きな記事である。
知らない間に影響を受けているのか、自分の口調も心なしか上田啓太氏のそれに…いや違う、もう、この口調がそもそも深津をほめるおじさんそのものではないか。
俺は……俺は深津をほめるおじさんだったのか…!
さらに「山王を30年見ているおじさん」でもあるのかもしれない。
「映画版スラムダンクをほめるおじさん」
であり
「スラムダンクを26年見ているおじさん」
それが俺。
そう思い鏡を見ると、そこには顎ひげと口ひげを繋げた、目元にシワの浮かぶおじさんが佇んでいた。
戦国自衛隊のラスト宜しく、自分の正体が何者なのか分かったところで、自分の頭を撃ち抜く為にもこの文章はもう締め括ろうと思う。
井上先生、ありがとうございました!