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まったりM&A現場閑話★M&A交渉に向けた虎の巻(2.交渉戦略)
前回はこちら
今回は、「2. 交渉戦略」について説明します。
✔︎フェアで一貫性のある主張が最強の交渉材料です。ディールの最後までを想定し、アンフェアな後出し提案を避けることが重要です。
M&A交渉においては、フェアかつ一貫性のある主張が最も効果的な交渉戦略です。
不可欠な条件や重要なポリシーがある場合は、最初に明確に伝え、交渉の過程で一貫して主張し続けることが必要です。
例えば、
「議決権三分の一以上は絶対条件だ」
「長期契約は一切引き受けられない」
「知財の譲渡は必須だ」
のようなディールキラーとなり得る重要な問題点は早めに把握し、交渉において適切なタイミングでしっかり主張するようにしましょう。
✔︎タイムリミットを設けず、撤退や他の選択肢を持つことが重要です。
タイムリミットがあることを悟られると、相手に足元を見られます。
「⚪︎⚪︎までに契約したいんならこの条件は飲んでもらわないと……」
なんてことになりかねません。
時間の価値を考えて自ら最適解を選択することと、タイムリミットを背負って不利な条件を飲んでしまうことは全く別なのです。
撤退の選択肢がない場合も同じです。
「あなたのところ、社長指示でやらなきゃいけないんでしょう?だったらこの条件は飲んでもらいますよ」
なんて言われちゃいそうです。
常に退路を確保し、相手との交渉をより建設的なものにするために努めましょう。
✔︎交渉は相手の手札が見えない詰将棋であるため、徹底した準備が必要です。
準備せずに交渉の場でうまく捌ける人もいるかもしれませんが、そう見えているだけです。
交渉の成功は、交渉前の準備の質に大きく左右されます。できる限り、交渉前に以下を準備してください。
自社、相手会社、対象会社、その他重要関係社の利害関係マップの作成
交渉出席者のポジション(どのような責任を追っているか)
略歴、特徴(どのような主張をしてきそうか等)
当社主張予定に対する反論、それに対する当社の反論のシミュレーション
できれば何手か先まで用意し、最後はどう落とし込むか
そしてやりすぎだろ?というくらいの幅広い反論の可能性を網羅する
これをすることで、安易な主張をして逆に自分の首を絞めたりしないかもチェックできますので、これらを資料にまとめて、交渉団に共有しておくことが大事です。
さて、ここまでしっかり準備できたら実際の交渉に臨みましょう♫