越えてはいけない一線
ユバル・ノラ・ハラリ ‘21世紀における21の提言(英語版の日本語要約) 第8章 #宗教
‘ #Identity problems:The lines in sand’ P133~137
‘ #アイデンティティー の問題: #越えてはいけない一線 ’
平成から新元号を迎えるにあたり、全ての人に一考して頂きたく思いVALUER制限の【鍵付き】を外します。
(私の説明)
顕教とは、目に見える教え。密教とは目に見えないそれ。伊藤博文がヨーロッパ帝国を模倣する際、たいへん困惑した。そこに、神がいる。神と、そこの国民が契約を交わしている。しかるに法が、近代国家が存在する。一方で、この国には神がいない。いたとしても、八百万いる。唯一の絶対神‘God’とコンタクトを結ぶのは不可能である。しかるに法も国家も存在しえない。そこで、伊藤は一計を案ずる。この国で神となりうるものを見つけ出す。当時、京都のとある公家に零落していた一族にその役目を願った。これがハラリの述べるところの‘#越えてはいけない一線’であり、近代日本の密教である。
(本題)
人間の力は、 #マスコーポレーション に基づいている。 #マスコーポレーション は、 #マスアイデンティティー の創造に基づいている。全ての #マスアイデンティティー は、科学的事実や経済的必要性ではなく、 #作り話 に基づいている。
近代において、伝統的宗教の力と重要性を集めた最も良い例が、 #日本 に見られる。1853年に、ペリー提督が開国を迫った。結果として、 #日本という国家 は急速に近代化に成功した。数10年の間に、 #科学 、 #資本主義 、及び #軍事力 に基づいた強力な #官僚国家 に成長し、中国とロシアを打ち負かし、台湾と韓国を併合した。ついには、アメリカの艦隊を、パールハーバーで沈め、極東におけるヨーロッパ帝国を崩壊させた。
しかしながら、日本国は、西洋の青写真を盲目的に #コピー したわけではない。固有の #アイデンティティー をしっかり守ろうとした。そして科学、近代化、及び近隣列強諸国といったものよりも、日本人が自国に優越感を感じらられるように仕向けた。その目的として、 #日本 は #アイデンティティー の布石である #神道 という #古来の宗教 を持ち上げた。 #伝統的神道 とは、様々な神々、精神、及び妖怪へのアニミズム信仰であり、それぞれの村や寺には、固有の精神や #土着 の #風習 があった。19世紀の終わりか20世紀の初めに、日本国はたくさんの #土着の伝統 破棄し、神道の公的版を創作した。この #国家神道 というものは、 #日本のエリート がヨーロッパの帝国主義者から抽出した国家主義と人種という近代の考え方と融合した。国家への優越性を固めるのに有用な #仏教 、 #儒教 、 #士族封建性 といった各要素が #国家神道 に付け加えられた。その最上位に、 #国家神道 はその #超越的役割 として、 #天皇という機関を置いた 。 #天皇 は #太陽神 、 #アマテラス の直系の子孫と考えられており、 #現人神 とされていた。一見すると、この新旧混交の変わった #作り話は 、近代化において #国家 を打ち立てるのに評価しえない政策に思えた。
これらは近代工業化というよりも、 #新石器時代 の首領制のように聞こえてくる。しかしながら、これは #手品 のように機能した。 #日本人 は加速度的に近代化され、 #日本国 に対し確固とした優越感を持つようになった。
知ってか知らずか、今日の多くの政府が #日本の例 を参考にしている。国家独自の #アイデンティティーを保持するがために 、 #伝統的宗教 に頼りながら、世界的な手法と近代化の構造を取り入れている。
#日本 における #国家神道 の役割は、ロシア正教、ポーランドカトリック、イランのイスラムシーア派、及びイスラエルのユダヤ教に見受けられる。 #宗教 がどんなに古風に見えようが、ひとかけらの想像力と再解釈によって、それは最新技術と近代機関とうまくやっていく。