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スイーツメモリー(草餅)


 おらが世や そこらの草も餅になる (一茶)
草餅は、春の季語(だそうだ)で、多くの俳人が、歌に詠んでいる(そうだ)
その昔は、ハハコグサの葉をいれた(そうだ)が、ほとんどは蓬の新芽を入れこんで作る(のだそうだ) 蓬は、古くから、日本で重用された草で、万葉集や、源氏物語にも、登場する(そうだ)
そうだ、そうだ、と日本人でありながら、知らないことばかりだ。知っていることと言えば、四月の季節限定商品で、老舗の和菓子屋に美味しい蓬餅がでるということぐらいだ。春の新芽を過ぎた餅は、乾燥して保存した蓬だから、風味が違う。


蓬は、トリカブトと似ているので、注意が必要(だそうだ)蓬には多くの、薬草としての効能があり、かたや、トリカブトは、言わずと知れ毒草だ。そのくらいは知っている。かつて、「トリカブト殺人事件」というものがあった。聞いたことがあるが、詳細は知らないので、ググってみた。


「トリカブト殺人事件…1986年5月20日に発生した保険金殺人事件。凶器として、トリカブト毒が用いられたことが大きく報じられたほか、司法解剖を行った医師が被害者の血液等を、保存していたため、その後の分析で殺人事件であることが発覚した事件である。」
事件の内容を読めば読むほど、驚きの連続、スリリングで、ドラマチックで、相棒の杉下右京も、ガリレオの湯川学も、びっくりの内容だった。


犯人の神谷力の時間差によるアリバイ、犯罪を疑う被害者の妻の友人ホステス、司法解剖をした沖縄八重山病院の医師、その後、判明した69鉢ものトリカブト売った高山植物店主、千匹以上のフグを売った漁師、水道・電気料金が異常に高い月があったと証言した大家…友人ホステスが警察に訴えても、最初は相手にされなかった事件は、偶然と必然が重なり二転三転する中で、殺人事件となった。


いやぁ、すごいなぁ。実際の事件なので、そんなこと思うのは、不謹慎だが、そんじょそこらのドラマより、ずっとスゴイ。神谷力は、毒の研究においては、天才だった。妻に一億八千万円もの保険金をかけすぎたとか、400万円の毛皮を贈って、出会って6日でプロポーズしたとか、前妻が2人も30代で突然死しているとか、脇は甘かったけれど、ふぐ毒とトリカブト毒の拮抗作用で時間差を生ませることなぞ、学術論文級ではないか。


 などと、考えながら蓬餅を食べる私は、実に平和だ。しかし、400万の毛皮のコートもらったら、6日でプロポーズを受けるものなのかなぁ。そんなプレゼントもらったことのないからなぁ。

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〇材料 … つぶあん もち粉 よもぎ粉 砂糖 片栗粉

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