スイーツメモリー(葛餅)
葛餅には関西風葛粉から作るものと、関東風小麦粉を発酵させた粉から作るものがあるらしい。今回は、関西風で、葛餅粉を使用した。因みに、関東風のものは、くず餅(久寿餅)といい、有名な舟橋屋のHPによると、和菓子で唯一の発酵食品で、ラクトバチルス属パラカゼイ種(言いにくいし、覚えられない) というくず餅乳酸菌があるそうだ。
どちらにせよ、葛餅は、手軽に作ることができる。粉を水でといてぐにゅぐにゅかき混ぜ、バットに入れて冷やすだけだ。そうして作ったものは、賞味期限は二日。スーパーで安く売っているものは、寒天やゲル化剤で加工してあるそうで、家で作るほうが、ずっと美味しいので、お勧めだ。
今回は、普段使わない祥瑞写しの煎茶茶碗を使用した。数年前、カルチャーセンターで開催された、O流煎茶の一日講座に行った。煎茶の歴史、煎茶の入れ方等、一通りレクチャーを受けて、和菓子をいただき、その後玉露をいただいた。他の流派がどうかは知らないけれど、O流煎茶は、煎茶茶碗に、ぽたりぽたり とほんの数滴、茶を垂らすだけだった。正直、飲んだ気がしないんですけど。何がどうで、何故だか知りませんが、全然、飲んだ気がしないんですけれど。
隣をみれば隣の人も、無言ながら、同じ思いであることがありありとわかった。ですよね、ですよね。O流だかなんだか知りませんけれど、ちょっと形式ばりすぎじゃありません? 舌の上で転がすようにと言われても、転がすほどの茶滴もないのですよ。
お手本のお弟子さんが、お茶を入れている姿も、急須からしずくが数滴落ちるのを、じっと待つ姿勢は、まるで静止画を見ているように、一向に変化がありません。息が詰まるほど、じっとしていると、ポタリと雫が落ちる。うーん、酸素が足りなくなりそうだ。数滴の玉露をいただいた後、茶器が集められ、今度は、白湯がふるまわれた。はぁ~ 白湯、美味しい~
厳かに、茶器を扱い、恭しく盆を捧げ持って、茶を配るお弟子さん達を見ていると、この方たちは、本当に、これで満足なのだろうか? 本当に、甘いお菓子の後、ぽったりぽたりの雫だけで、満足なのだろうか? だいたいそれっきりって茶葉がもったいないよ。などと、考える私は、趣を理解しない無粋な野蛮人でしょうか?
最後の質問の時間に、「使った茶葉はどうするのですか?」と聞いたら、なんだか、あやふやな回答だったので、記憶がない。茶会の裏方で飲むとか、先生が持って帰って、お風呂に入れるとか…なんか歯切れの悪い回答だった。 だったら、最初から、もうちょっと多めのお茶にして、飲ませてくれてもいいんじゃない?
〇材料 … 葛粉 砂糖 水 きなこ 黒蜜