湘南帰国物語 湘南 My Love 第2夜--アートとスローライフの話--
フィレンツェに行ってはじめて思ったのは、時間がゆっくり流れてるっていうか、悠久の美と歴史に見守られてるってことで、着いてすぐに安心した。
湘南の鎌倉とか江ノ島の方も安心する。
僕は海の近い街に住むのが夢で、フィレンツェに戻るまでのあいだ、湘南にいる予定なんだけど、今日、ピサに住むかどうか迷ってた。
フィレンツェは大都会で、いいところもあるし、自然も多いけど、海はない。
海があるかどうかで言えば、ピサは海がある。
でも一度も行ったことのない街に住むのは不安だし、フィレンツェからピサまで1時間ちょっとだから、週2回くらいパーティとか買い物にフィレンツェに行くのもアリかもとか考えてる。
語学学校からはシェアアパートしかないって聞いてるし、いろんな人からいいアパートはほとんど住んでるから空きがないって聞いたし、それならピサの方がいいんじゃないかっていう目論見もあったり。
なにはともあれ、それだけ自然が好きな南野が鎌倉に来て、安心したのは海とお気に入りのカフェ・プリマヴェーラのおかげかな。
もしかしたから僕は、人生のはじめの頃から、美と安心を求めて生きてるんじゃないかって思うことがある。
情熱も美の重要な要素だけど、それを求めすぎて安心を見失うこともあるし。
今日はにこるんのラジオを聴いて、牛丼を作って、村上隆の動画を見た。
にこるんが「ダイエットしたい」っていってて、しかも漠然と「痩せますしか言えない」男に笑い声で厳しく物言いをしてたのは、僕には刺さったなぁ。
僕もダイエットしないと。
村上隆の動画について考えたのは、お金の意味について。
戦争はイデオロギーや善悪だけでなく、お金のためにやることが多いのが現代の戦争の特徴だって知り合いが言ってたし、確かにお金がないと生きづらい世界なのも事実だ。
現に東ヨーロッパは美人も多いし、芸術も文化も栄えてたのに、共産主義のせいで貧しくなって、祖国を出て出稼ぎにイタリアや日本に来てる人はたくさんいる。
悲しいことだ。
村上隆が、ポケモンカードのパクリのカードの絵を展示したのは、子どもの幼い要求に応えすぎてること、アニメの美少女キャラの絵が現実の女性の写真よりも勝ることがある現実、またそれを高値で買う人がいる現実を描いて、アートとして見せているってことで、物語や心の豊かさにおける美はそこにはない。
僕はそれらよりも、ジョルジョーナ・ロドリゲスとか、にこるんとか、ZARD・坂井泉水とか、Irene Vallejoとか、偉大な美人の写真の方を眺めてたいし、彼女らにまつわる作品がもっと作られるべきだと思う。
ボッティチェリやダンテは美人や恋愛に関する作品をいくつも作ったけど、今の時代はお金が恋愛や美や正義の価値を決めすぎてる感じがする。
僕がアメリカではなく、フィレンツェに住みたい理由の一端はそれで、フィレンツェはアートの街だからだ。
それでもピサに住むかもしれないけど。
フィレンツェに住んでも、ピサに住んでも週1回は海を眺めたい。
そしていつか将来の彼女とピサの海に行くのが夢でもある。