星やどりの声【夏感じてる?】
夏と言えば、山?海?花火?旅行?
でも暑くて何もする気にならない…
分かります。
じゃあその夏、本で感じちゃいましょうか?
アクティブも最高の季節ですが、夏にこそ読んでもらいたい本がたくさんあります。
今回ご紹介する、朝井リョウさんの『星やどりの声』を読めば、それだけで「なんだか良い夏だったかも!」と思えるはずです!
○著者
朝井 リョウ(戦後最年少直木賞作家)
○ジャンル
青春小説
○あらすじ
海の見える街で暮らす6人兄弟姉妹と母。
学校、社会、仕事、家庭など、様々な思いや過去を抱えながら生きていく家族たち。
亡くなった父が残した喫茶店「星やどり」に隠されたメッセージに気づいたとき、家族が導き出した答えとは……
○感想
・作中に海や山が登場し、描写も巧みであるため、読みながら夏を感じることができる。私は、とりあえず海を見たくなった。
・著者(朝井リョウ)に多く見られる群像劇の形で物語は進む。
6人兄弟姉妹を中心に、多くの人物が登場するが「この人誰だっけ?」といったことが起こらない。
これも、著者の一人一人の性格や人となりの描き方が緻密である証拠。
・しっかり者の長女(社会人)、少し頼りない長男(大学4年)、性格がまるで違う双子の次女と三女(高校3年)、イケイケ系の次男(高校1年)、大人びた三男(小学6年)と、それぞれ年齢も性格も全然違う6人兄弟姉妹で、自分と似ている人物を見つけるのも楽しい。
・兄弟や姉妹がいる方は会いたくなると思う。私も遠方で暮らしている弟に久しぶりに会いたくなった。
・展開が大きく変わるタイプではなく、一人一人の会話や行動、感情がしっかり汲み取られ、登場人物の気持ちや心情の変化していく様をゆっくりと味わえる作品。
もちろん、ただ人物描写が淡々と続くだけではなく、「なぜ亡くなった父はこのようなものを作ったのか?突然店の名前を変えたのか?」という謎の要素もあるので飽きない。
・シンプルに心があったかくなるというか、良い話を読んだなと感じられる。
○印象に残ったこと
この作品で登場する喫茶店「星やどり」には、多くの食事メニューが登場し、読んでいるだけでも美味しそうです。
特に看板メニューのビーフシチューは何度か登場し、そのたびに食べたくなってしまいます。
ということで……
思わず食べてしまいました(笑)
以上です!
海がみたくなったり、家族に会いたくなったり、ビーフシチューが食べたくなったりと、多くの○○をしたくなる作品でした。
猛暑が続きますので、クーラーの効いた部屋で読書でもいかがでしょうか。
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こちらでは、朝井リョウさんの小説を紹介しています。
朝井リョウさんは小説はもちろんですが、エッセイがマジで面白いです。