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殺戮にいたる病【"結末"の検索数No.1小説!】
「○○○○(タイトル) 結末」
小説を読んだことがある方なら、一度はこのワードで検索した経験があるのではないでしょうか?
読み終わって思わず、
「えっ!」「どういうこと!?」「マジか……」
と言いたくなる本ってありますよね。
特にミステリ小説ではそのようなことが多いです。
今回ご紹介する『殺戮にいたる病』は、なんと「○○○○(タイトル) 結末」で最も検索された小説とのこと!
私も読み終わった時に「そりゃ検索するわ、これ……」と唸ってしまいました。
"衝撃"、"電流が走る"、"脳天直撃"、まさにそんな言葉がぴったりでした。
ハードル上げすぎかもしれませんが心配無用です。
軽々と超えてくれる1冊です。
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○著者
我孫子武丸
○ジャンル
ミステリ
○あらすじ
蒲生稔(がもうみのる)は、逮捕の際まったく抵抗しなかった。
本書はこの冒頭で始まる。
東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるシリアルキラーが出現。
なぜ、蒲生稔は世間を戦慄させるシリアルキラーとなったのか……
本当はあらすじについてもっと語りたいのですが、このくらいにしましょう。
○感想
【話の進み方】
・本書は、蒲生稔を含めた3人の視点が交互に描かれる形で進むが、時系列は少し前後がある。
・その前後のズレにより、殺人事件の被害者や状況を知ったうえで、殺人犯の心理状態や行動を追いかけることになり、恐ろしさや怖さ、虚しさや悲しさを増幅させている。
【描写のグロさ】
・言葉を選ばずに言うと、「人を殺したことがあるのか…」と感じてしまうほど殺害描写がリアル。
・思わず目をそむきたくなる描写もある。
私はあまりのグロさにまともに読めず、流し読みしてしまった箇所があった。これまで本を読んできてこうなったのは初めて。
・グロ系が苦手な方(私もそうです)は、該当する場面はさらっと読んでしまっても大丈夫です。それによって、話についていけなくなってしまうということもありません。
【登場人物の心理】
・殺人犯の心理状態が言わずもがな恐ろしい。特に、話が進むにつれてだんだんと「愛」への執着や畏怖のようなものがエスカレートしていく様子は、簡単に"異常"と割り切れない。
・他の人物の心理状態も細かく描かれている。本書は殺人犯の恐ろしい行動に目が引かれがちになるが、登場人物の心理描写も非常に巧み。
・殺人犯のことを「異常者」と割り切ってしまうのは簡単。
しかし、「もしかしたら、他人から見たら自分も"異常"と見られてしまう面が少なからずあるのかもしれない」と思わされ、自分が少し怖くなってくる。
・誰しもが「異常」を抱えており、その程度の違い、人前に現れるか否かの違いに過ぎないのかもしれない。
そう考えると、私たちの何気ない日常の平和は、ピアノ線のように張り詰めた状態のうえに成り立っているのかもしれないとさえ思える。
【書かれた時代】
・この本は1992年に単行本が出ており、今から30年以上も前に書かれた作品である。
・作品中に当時を感じさせる描写も見られるが、全然古さは感じず、違和感なく読み進めていくことができた。
・家族の形、精神医学、犯罪心理学なども取り扱われているが、難しすぎて頭に入らないということも無い。これらは、著者の文章力の高さなのかもしれない。
【ミステリ】
・結末読んだ時に頭がフリーズし、思わず読み返した……
○本書にいたる機会
本書は以前から、SNSや書店で目にしたことがあり、存在は知っていました。
しかし、タイトルの『殺戮にいたる病』がカッコイイ反面、「何か難しそうな本だな…」と読むのを勝手に遠ざけていました。
そんな中で、私がいつも楽しんでいる第一芸人文芸部の「俺の推し本。」というYouTubeで、ニッポンの社長の辻さんが、本書を紹介しているのを見て、「これは読まねば!」と思い、読むにいたりました。
何を読むか迷ったり、気にはなっているけど中々読むのに腰が上がらない本があるといった際には、このような本紹介コンテンツも大変オススメです。
最近はYouTube、note、X、ポットキャストなど、様々なコンテンツが充実しています。
(もちろん『読書大学』もお役に立てれば何よりも嬉しいです!)
以上です!
「もっと早く読んでおけば良かったな~」と思わず唸ってしまう本でした。
皆さんも気になってる本があれば、とりあえず読んじゃいましょ。
読んで後悔する本はありません。
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