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漫才過剰考察【M-1チャンピオン令和ロマン語る!】

M-1グランプリ2024のファイナリストが、ついに決まりました!

どのコンビが決勝に進出するか予想していたお笑いファンの皆様も多いのではないでしょうか?
何を隠そう、私もその1人です!

私は読書好きですが、それと並ぶくらいお笑い(特に漫才)が好きで、昔からM-1グランプリは、毎年欠かさずに見ていました。


今回は、昨年のM-1グランプリ2023で、結成5年目でトップバッターから鮮やかに優勝した令和ロマン髙比良くるま(ボケ担当)が書いた、『漫才過剰考察』をご紹介します!

タイトルが既におもろいですが、内容もかなり凄まじい1冊です。




○著者

髙比良くるま
M-1グランプリ2023優勝コンビ、令和ロマンのボケ担当(立ち位置:左)
・令和ロマンのブレーン(頭脳)
M-1グランプリ2024もファイナリストに残っており、大会史上初の連覇を目指す

○ジャンル

エッセイ、ノンフィクション

○あらすじ

まさにタイトル通り、『漫才過剰考察』で、特に※新M-1グランプリについての分析・考察が凄まじい。

「現状M-1に向けて考えられるすべてのこと、現在地から分かる漫才の景色、誰よりも自分のために整理させてほしい。頭でっかちに考えてここまで来てしまった人間だ。感覚でやってるフリをする方がカッコつけだと思うんだ」

感覚なんてなんのその。徹底的に考えて考え抜きまくられてる。


M-1グランプリは新旧に分けて表現されることも多い。
「お笑いなんて全く興味ないよー」という方はこれだけでも覚えおくと、将来何かの役に立つかもしれない。
旧M-1:2001年~2010年までのM-1
新M-1:2015年~現在までのM-1


表紙をよく見ると細かい字で埋め尽くされている…


○感想

【この本を特に楽しめる人】

・M-1チャンピオンが書いた、M-1ひいては漫才に関する"論文"である。

・論文を読む際には、ある程度その分野に精通していたり、知見が無いと内容を理解できないことが多いがこれもまさにそう。
正直、万人に薦められるような本では無い(笑)

①歴代のM-1グランプリを全て見ている
②歴代チャンピオンが全て言える
③お笑いライブに行ったことがある

↑の知識・経験は最低限無いと、本書で何を言っているのか分からないと思われる。

・しかし、お笑いや賞レースの予想・考察が楽しみ、身近に語っても理解してもらえる人がいなくてウズウズしている方にとっては、まさにブッ刺さる本である。


【考察のレベル】

・予想・考察好きのどんなお笑いファン(自分も含む)よりも考察が深い。過剰。当事者の考察はレベルがまるで違う。

・普通に、新書として出せると思うし、お笑いの研究をしている大学にとってもめちゃ参考になると思う。

・正直、お笑いファンでも一度では理解できない部分がいくつもある

まさに、感じるな、考えろ!


○印象に残ったトピック

私が本書を読んで特に印象に残ったトピックを列挙します。

・新M-1を2つに分けている
⇒先に述べたようにM-1グランプリを新旧に分けるのはよくあるが、新M-1をさらに2つに分けるのには驚き

・M-1グランプリ2023のネタ順と型
⇒自身が優勝した2023の各コンビのネタ順や型を考察しており、読みながら思わず「確かに!」と口にしていた

・客層の変化、漫才リテラシー
⇒近年ではお笑いファンやコンテンツが増えたことで、お笑いの認知度や地位に変化が生じており、それに伴い客層も変わってきている。「漫才リテラシー」という言葉は初めて聞いた。

・寄席とM-1グランプリの違い
⇒寄席には賞レースとは異なる2つの必須要素がある

・東西の違いから更に、南北のお笑い
⇒お笑い文化の違いについて、東西(東京、大阪)の比較は語られることはあるが、南北(九州・沖縄、東北・北海道)について考えられたものは初めて見た。
お笑いファンの皆様、天竺鼠川原とランジャタイ国崎の違いとか考えたことある!?

・世界のことまで
⇒最近は海外のコンテストで結果を出す芸人も増えているが、それらについても考察

・「霜降り明星」や「令和ロマン」と言った最若手の優勝
⇒今後のお笑い界の中心になるであろう、最若手の優勝コンビ「霜降り明星(2018優勝)」や「令和ロマン(2023優勝)」の影響はやはり大きい。
特に令和を代表する若手の2トップ、粗品とくるまの対談はお笑いファン必読。粗品のお笑いに対する考えは、他ではあまり見られないので貴重。

お笑いの悪魔に魂売ったんやな

対談中の粗品のセリフ


以上です!
今回はお笑い関係の本紹介ということで、いつもより筆が進みました(笑)
読書好きの皆様を置いてけぼりにしていないか、少し不安ではありますが……

M-1グランプリ2024は12/22(日)に敗者復活戦と決勝が行われます。

今年1年あった嫌なことも、笑って全部吹き飛ばしてしまいましょう!


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実は"読書"と"お笑い"は結構相性が良いです。
お笑いに関する本紹介もしていますので、ぜひご覧ください!

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