note×standfm【番外編】岩波文庫フェアのお話
皆様、如何お過ごしでしょうか?
6月も後半になり7月に近づいて参りました。今日もこの時期らしい、
蒸し暑い日になっておりますが、皆様はどの様な書籍をお手に取っておりますでしょうか?
私は先日、神保町東京堂書店で、岩波文庫が現在手帳プレゼントの
キャンペーンを打っており、ひとまず3冊を購入しました👇
──── 一冊目はゲーテの「若きウェルテルの悩み」です。
新潮文庫のものを持っておりますが、岩波文庫のものも
読んでみようと購入致しました。
若きウェルテルの悩み/通し番号/赤405-1
この書籍は1774年発刊ですが、当時バズった様で当時の若者は若きウェルテルに自分を重ねて自ら生命を絶つ人が続出したと言われておりますが、
今でも読みつがれる名著でございます。
──── 二冊目はマーク・トクウィンの「人間とはなにか?」です。
この書籍はかなり前に読んだことがありますが、自宅のどこにあるのか
見つからなそうですので、改めて購入しました。
人間とは何か/通し番号/赤311-3
マーク・トウェインと言えば、「トム・ソーヤーの冒険」その続編として書かれた「ハックルベリー・フィンの冒険」ですが、今回購入した、「人間とは何か」というタイトルにはドキドキさせられます。
個人的には「不思議な少年」もおすすめでございます。
不思議な少年/通し番号/ 赤311-1
──── さて・・・「人間とは何か」ですが、人間を動かす唯一無二の法則について、対話形式で青年と老人が語り合う内容でございます。人間を動かく根幹にある「衝動」について老人が青年の問に対して繰り返し繰り返し語る
内容でございます。対話形式と言えばプラトンの対話篇を想起しますし、
以前に何度かstandfmでも配信しております、岸見一郎先生の「嫌われる勇気」を想起致します。
【第586回】嫌われる勇気とある女流画家
そして、人間は教育や環境・遺伝性の所産である(環境決定論)とともに、自らの言語的問題解決能力(知性・理性)によって、自らと環境を変えていくことができる創造的な存在でございますが、フロイトの言う「欲動」という言葉を知った時と同様の衝撃がございます。
フロイトは自我、超自我、イド(エス)という人間の心の三つの審級とその背後にある欲動とエネルギーを考察した訳ですが、生きようとする欲望をエロス。そして、自分も含めて破壊して殺戮しようとする死の欲動をタナトスと名付けた訳でございます。
人間を動かす原動力とは、生と死の持続的な連続運動の中で清濁併せ吞む複雑な何かだという印象もございますが、マーク・トウェインの「人間とは何か」で語られる通り、自分を満たすこと、自分の心の安寧が何よりも第一に大切だと、何となく理解することができます。
しかしながら、人間が人間性(ユマニテ)に根差した活動を行うにはエントロピーに抗うことであり、エントロピーに抗う源泉となるのが、愛なのだと
思います。
シモーヌ・ド・ボーヴォワールはかつて次の様に語っております。
ユマニテをそれ自身の絶えざる追い越しだとしつつも、我々の追い越しは決して完成されることはないしております。この刹那、刹那の連続運動の中に淡く朧げに立ち現れる存在が我々というものなのかも知れません。
──── 三冊目はビアスの「悪魔の辞典」でございます。
この世にも恐ろしいタイトルの辞典には何が書かれているのか・・・と以前から気にはなっておりましたが、折角ですの購入してみました。
悪魔の辞典/通し番号/赤312-2
【第982回】悪魔の辞典/アンブローズ・ビアス
1911年にアメリカで発刊された「悪魔の辞典」。
あいうえお順にに約700の様々な単語が並ぶ辞典でございます。
しかしながら、ただの辞典ではございません。
単語に対する意味がどれもアフォリズムの様な皮肉と冷笑的に書かれており、大変興味深いです。日本的に言えば、芥川龍之介の侏儒の言葉を想起させられますが、名著でございました。
侏儒の言葉 文芸的な,余りに文芸的な/通し番号/緑70-11
──── ビアスの悪魔の辞典には・・・
例えば・・・
個人的には同じ「辞典」と名の付くウィトゲンシュタインが書いた「小学生のための正書法辞典」よりも楽しめました。
小学生のための正書法辞典 (講談社学術文庫)
今回は岩波文庫フェアで書籍を3冊購入しましたというお話でございました。たまたま手に取ってた3冊はどれも赤いラベルでしたが、私の興味を惹き付けて離さない作品ばかりでございました。
ご興味ございましたら、是非、岩波文庫さんのキャンペーン作品お調べいただければと思います。
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──── ここからは毎度の宣伝でございます。
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