人間にとって「生」とは、究極の選択の結末とは 【最後の医者は桜を見上げて君を想う】
自分の「命」とどう向き合うか
その「命」を預かる者はどうすべきか
■「最後の医者は桜を見上げて君を想う」を読んで
本書は、インスタグラムのフォロワーさんが読んでいるのを見て興味を持った作品でした。
何といっても表紙が綺麗、そしてタイトルも何だか深い意味を持っているような感じです。
表紙のイメージから女性向けに書かれた小説なのかなぁとも思いましたが、読んでみることにしました。
読む前から、この作品は感動する!泣ける!という意見をいただいていましたので
とても楽しみに読み始めました。
■「死」というものをどう迎えるか
本作品の中では人間の病、そしてその後にある「死」というものが背景になっています。
人間は病によって、命を失ってしまうことがあります。
これは常にどんな人でもそうなる可能性があります。
自分がもしその状況を迎えてしまったら、「死」というものを感じるような状況になったら、自分はどう考え、どう行動するか考えさせられました。
本書では、病気を患った患者に向き合う医者が出てきます。
病気、患者、そして「死」というものに対して違った考え方を持った医者が登場します。
医者と患者の関係。
病気と命をどう捉えて、それに向き合っていくか、いくつかの場面が描かれています。
そのどれもが、これが正解と簡単にはっきりと言えるものではなく
深く、考えさせられました。
人間の命、生と死については
いつでも深く考えさせられることだと改めて感じました。
■「最後の医者は桜を見上げて君を想う」を読んで!まとめ
これほど深く考えさせられ、そして泣ける作品はあまりないと感じました。
医者と患者の関係、医者が患者の病気とどう向き合うか、そして患者は自分の病気、命に対してどういう選択をするか、実に深く人間の最後をどう迎えるか考えた作品でした。
人間に「死」という現実が訪れた時
悲しくてもそれを受け止めなければいけない場面になったとき
延命治療か、それを辞めるか、この究極の選択に対して、患者本人、家族、医者
この立場が違う者たちがどう向かい合うか、どう考えていくのかが実にリアルに描かれていると感じました。
私も一度「死」というものを感じる病気を患ったことがあります。
その時に、自分が感じたこと、そして医者に言われたことなどが重なり、思わず思い出して涙が溢れそうになる場面がありました。
人が自分の命の期限を突き付けられたとき
残りの時間をどう使うか、その時間を懸命に伸ばそうとする医者、それが正解なのか
最初から諦めて、無駄な治療はしないとすることが正解なのか
この問いを深く考えました。
単純に答えは出ません。
それまでに患者がどう生きてきたか、どう考えて生きてきたか
何をしてきたか、色々な要素が関係しているからこそ
人それぞれ最後の迎え方は違うと感じました。
正解は、死を迎える本人、その時を迎える直前にしか分からないのかもしれません。
号泣というよりも、深く考え1滴の意味が大きい涙が出る作品だったと感じました。