希望の見つけ方(39):希望の匂い
希望とは春を告げる
福寿草のようだ
そーっと顔を近づけて嗅いでみる
すると
かすかに嬉しい匂いがする
だからいつの間にか
人は希望の
匂いのするところに集まる
ある経営者とオンラインで話をしていました。彼は自社を「元気な会社」にしたい、といいます。「元気があればなんでもできる!」と言ったのは、プロレスラーの故アントニオ猪木でした。その元気はどこから来るのでしょうか?私は、元気とは希望の匂いのあるところに湧き上がってくるものではないかと思います。希望あればこその元気です。だから、クンクンと希望の匂いを嗅いで回ることです。
「ショーシャンクの空に」という映画があります。アンディ(ティム・ロビンス)という男が、妻殺しの疑いをかけられて刑務所に入ります。真犯人は別にいたのですが、アンディは無実の罪で20年もの間刑務所で暮らすことになります。アンディはコツコツとハンマーで壁に穴を掘り続け、ついに脱獄に成功します。
彼が語る言葉が印象的です。”Hope is good thing”「希望っていいもんだね」。
希望は待っていても訪れません。希望は自分から探しに行くものです。そのつもりで探してみると、希望の卵たちは、あちらこちらに潜んでいます。それでも希望を身近に感じられないとき、いちどあなたをがんじがらめにしている固定観念を、とっぱらってみてはどうでしょうか?英語にthink out of the boxという表現があります。箱の外で考えてみようよ、ということ。箱とは、あなたを縛っている固定観念や偏見を指します。
私が長年やっている柔道でも、「箱の外」での練習をしています。70歳を過ぎての乱取り(組み合っての自由稽古)は、怪我の心配であるので、もうしていません。さてどうやって、愛する柔道を続けようか?思案した挙げ句、「形」(かた)の大会に挑戦しています。形であれば怪我のリスクは少ない。形であれば年の差なんて関係なく戦える。今は仲間とともに、3位以内の入賞に希望を繋いでいるところです。
希望とは「笑い」からも匂い立ちます。一見、笑うことと希望とは関係ないように見えます。でも遺伝子工学の高名な学者、村上和雄氏はこう語っています。「笑いは遺伝子をオンにする」(人は何ために祈るのか、祥伝社より)。ある日、人気落語家の立川志の輔の落語を聞いていました。
「お姉さん、いつみても粋(イキ)だねえ」
「何いってんだよ、アタシゃ帰りだよ」
会場爆笑。こんな瞬間、私は、世の中捨てたもんじゃないなあ、と嬉しくなります。私はときどき落語の聞ける寄席に笑いに行きます。腹の底から笑ったとき、希望の匂いをふと感じてしまうのは私だけでしょうか。
◎カイゼンひとくち英語
Think out of the box!
箱の外で考えてみよう。