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ここまでわかった犬たちの内なる世界 #14 思いやり(続編)〜ごほうびは喜びの一部でしかない
☻最終更新 2024/09/22
ここからは、19世紀初頭のスコットランドを舞台に話を進めます。
1804年、イギリスのある新聞が "smart dog"をテーマに、一般読者から広く情報を求めました。 すると、次のようなエピソードが寄せられたといいます。
ある男がイヌを連れて凍結したディー河を渡っていると、氷が割れて男だけが水中に落ちました。 困ったことに、周囲の氷の塊のどれもが自分の体重を支えるほどの大きさではなくて、つかむとたちまち砕けてしまいます。
ピンチに陥った飼い主の様子を2分ほど眺めていたイヌは、氷の塊に渡せるだけの長さの棒を探し、運んできます。
![](https://assets.st-note.com/img/1660414526266-AgMVpOpkZb.jpg?width=1200)
イヌは、男がその棒にすがって時間稼ぎをしている間に、最寄りの民家まで走って吠え声をあげ、現れた人を遭難現場へ連れて行きましたーー。
この報告が全て事実だとすれば、( 筆者の解釈では)イヌが思いやりと共に洞察力を働かせ、 絶体絶命の飼い主を見事に救ったという意味で、特筆すべき話です。
facebookで大反響を呼んだアラスカの”名ガイド”
上記の1804年の事例のように、 大きなトピックでないにしても、遭難事故にあった飼い主がイヌのおかげで生還したという感動的なニュースは、近年も報道され続けています。
しかし見知らぬハイカーを次々と救うイヌの話を聞く機会は、なかなかないでしょう。
アラスカンハスキーのナヌークは、 アラスカ州のイーグルリバー渓谷のクロウパストレイルをパトロールするのが大好きで、ハイカーを監視し、いざとなれば手助けをすることに情熱を燃やしています。
その日もそうでした。
2018年6月、 大学生のアメリア・ミリングさんはイーグルリバー渓谷で体調を崩し雪に覆われた山の約300 フィート (1フィートは0.3048メートル) の高さから滑落してしまいました。アラスカ州警察によると、彼女は大きな岩にぶつかり、さらに300 ~ 400フィート滑りました。
しばらくすると、見知らぬ白い大型犬がショック状態のまま横たわっているアメリアさんに近寄ってきました。イヌの首輪を見ると、「僕はクロウパスのガイドです」と書いてあるではありませんか。
(このイヌは私を助けるためにここにいるんだわ)
打撲傷を負ったアメリアさんはナヌークに導かれるようにして安全な場所まで戻ることができました。
🔽ナヌークの活躍ぶりを報じるCBC North のTweet
'He gave me the motivation to get up:' Woman recounts rescue by Nanook the husky https://t.co/ADiElVxDh0 pic.twitter.com/291guYckMu
— CBC North (@CBCNorth) July 5, 2018
翌日。アメリアさんが、イーグル川を渡ろうとしたときのことです。
バランスを崩してしまった彼女は、予期せぬことに川に流されてしまいました。この時期この辺りの川の水温はかなり低いといいます。腰のあたりまで深さのある川から、アメリアさんを救い出したのは、 またしてもアラスカンハスキーのナヌークでした。
ナヌークは躊躇することなく水中に飛び込むとアメリアさんを引き戻すために持てる力をふりしぼりました。 ”遭難者”が浮きがわりにしていたザックをくわえることで、見事に助けることができたのです。
このイヌは夜になると、アメリアさんの寝袋に入り込んで身体を温めたといいます。
飼い主のスコット・スウィフトさんは、ナヌークが他に3人のハイカーを助けたことは知っていましたが、もしかするともっといるかもしれないと思い、Facebookを立ち上げたところ、数日で何十人もの人々が「ナヌークに救われた」というストーリーを寄せたといいます。
スコットさんによると、ナヌークは、あくまでも救助活動を自分の意思で行なっており、これまで救助犬としての特別な訓練は一度も受けていないということです。
にわかには信じ難いインドの野良犬の善行
2021年12月15日、インドのニュースサイトRepublicworld.comは衝撃的なトピックを配信しました。
英語版の書き出しはこうです。
A dog saved the life of a newborn girl child in the Saristal village of Mungeli town in Chhattisgarh after the baby was abandoned by her parents in an isolated area.
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