SLEの診断って実は簡単なのだ

皆さん、こんにちは。ドクターPです。

本日は『SLEの診断』についてのお話です。

そもそもSLEがどんな病気かわからない人もいると思いますが、SLEは膠原病の一つで、20~40歳代の女性に多く、日本全国で約6万人の患者さんがいると言われています。

SLEは、Systemic Lupus Erythematosusの略で『Systemic』とはその名の通り、全身性という意味で、炎症が全身の色々な臓器に起こる特徴を指しています。

『Lupus』とはラテン語で『狼』を意味し、SLEの特徴的な症状の一つである蝶形紅斑が、あたかも狼が噛んだあとに似ていることに由来しています。

SLEは、皮膚症状や関節症状、漿膜炎症状、神経症状、腎障害、血液検査異常など多彩な症状をとり、いくつも症状の組合わせで診断するので、SLEの診断が難しいと感じる先生は多いです。

もちろん、膠原病科の先生であれば、こうした多彩な症状についての知識と経験もあるので診断は容易ですが、こうした患者さんが、最初からすんなり膠原病科を受診できる訳ではありません。

そもそも膠原病科という科そのものが、内科の中では比較的マイナーで一般の方にはあまり馴染みがないと思います。

SLEでは、発熱や関節痛、腹痛、下痢、胸痛、皮疹などの症状を認めますが、最初にまず内科を受診されることが多いので、内科の先生がこの病気のことを知っておいておくとよいのですが、残念ながら知らない先生も多く、そのために原因不明の症状として診断まで時間がかかってしまうこともしばしばあります。

『SLEの多彩な症状を覚えておくことができない』

『SLEの診断基準を知らない』

『膠原病なんてみたことがない』

非膠原病科医が診断できない理由には、いろいろあるとは思いますが、実は、国家試験で勉強した医学生さんでもSLEを診断することはそれほど難しくないと個人的には考えています。

それはSLEは、診断基準(分類基準)に当てはめて考えることができる疾患であるからです。複雑な疾患では、非常に多くの類縁疾患を除外する必要があるのですが、SLEはそうではありません。

では、この診断基準(分類基準)を覚えてしまうとよいですね!

はい。その通りです。

実は、簡単な覚え方があります。

医師国家試験や内科専門医の試験に役立つだけでなく、多彩な症状を呈するSLEは、いろいろな症状(発熱、胸痛、胸水貯留、腹痛、下痢、腎機能障害、血球減少など)の鑑別疾患に挙がってきますので、これを機会に克服してしまいましょう。

記憶の仕方だけでなく、使い方についても解説しています。

お役に立てれば幸甚です。

ドクターP



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