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#19【やってみよっ対話型鑑賞】握りしめたものは信念?それとも執着?

オンラインで、絵画作品をおしゃべりしながら30分程度じっくりみていきます♪
作品情報は鑑賞の最後に紹介します。


メンバー

今日のファシリテーターはStuartが担当♪

鑑賞スタート!

はい。じゃあ今からこの作品鑑賞していきたいと思います。まず最初少し1人で作品じっくり見てください。その後みんなで見ていきたいと思いま~す。よろしくお願いします。

(じっくりみる)

 

はい。そろそろ始めてもよろしいですか。じゃあですね、今からこの作品鑑賞していきたいと思います。最初第一印象とか思ったこととか感じたこと、どんなことでも結構です。挙手でお願いしま~す。
はい。しずかちゃん。

はい。もうね、最初見た時ちょっときついなと思いましたw

wwwww

 

きついw?

なんかこの赤、緑、青、黄色みたいな、その強い色がなんかちょっと毒々しい感じがして。これ、今から見るのかって思って、ちょっときつい気持ちになりましたw

今日は生半可な覚悟で挑むと痛い目に会いそうな雰囲気をビシビシ感じる作品ですw

あ~そうか、この作品を今から鑑賞するのがちょっとしんどいなって感じ?

そうそうw

それは、色から感じる?

色と、この荒々しい塗られ方?特にこの服の部分だと思うんですけど、なんかこう、筆跡がガシガシガシってなってて気性が荒い感じがして、それに向き合うのがちょっと疲れてると見れなそうだなっていう、そういうきつさを感じましたw

ガシガシガシガシ!!!!

はい、ありがとうございます。色と、この塗り方とか、そういうところからきつい感じを受けられてると。
はい、遠藤さんどうぞ。

はい。私たちを下から見上げてる感じがして、それもきついなって思いましたw

wwwww

この目線のことですかね?

そうですね。なんか、物言いたげな感じがします。

ひぃっ!

あ~物言いたげ。それは目から感じる?特に。

そうですね。こっちを真正面から向くわけではなく、下から見上げるっていうのは、わかってほしいとか、そういう欲求があるようなコミュニケーションの取り方な気がします。

わかってほしい。目線以外に、そういうのを感じたりするとこって他にもあったりします?

いやもう、その“わかってほしい”で言うと、ちょっとやっぱり色が凄すぎる、激しすぎるw「わたくしはここにおります!見てください!」みたいな主張がある感じですね。

色のきつさが、自分の存在をアピールしてる感じか。ありがとうございます。
きーぼーどうですか。

なんかそうですね、ジョーカーみたいって思った最初w バットマンの敵の。

wwwww

 

うんうんw どの辺りがジョーカーっぽいですか?

なんかね、でもジョーカーは顔真っ白で、口のところが口裂け女みたいに赤くバーッて塗ってあるので、見たら違うんですけど、どの辺が“ぽい”んやろって思ってたのは、狂気みたいなのがありつつ、でも若干服とかがスーツっぽくも見えるのかな。理性…じゃないな…。なんやろ、その人なりの美学なのかな。
マナー、ルールみたいなのが、ちょっと“ぽい”のかな~って思ってて、遠藤さんとかしずかちゃんが言うほどにきついなっていう印象はなかったですね。

ほう、面白いですね。その人なりのマナーっていうのは、なんだろう、正装してる感じ?

そうそうそう。

あと、狂気とおっしゃったんですけど、狂気を感じるところってどの辺りですかね。

あ、それはでも、色が赤とか黄色とか緑とかをしずかちゃんも言ったように、すごい荒々しく使ってるところ?

色の激しさと、この塗り方の荒々しさみたいなところから「狂気」みたいな感じですよね。はい、ありがとうございます。
この下から見上げる目とか色使い、筆遣いっていうところから、ちょっときついとか狂気みたいな話出てますけど、他どうですか。
はい遠藤さん、どうぞ。

はい。今スーツって話があったのは、おそらく、ちょっと襟元みたいなところのエッジが効いてるところとかなのかなっていう風にも見えたんですけど、

こういうところ?

服とがり過ぎやろ

そことか、左のちょっとシュッてしてる黒い線かな。って思ったんやけど、やっぱりちょっと着物の袂みたいな感じなのかなっていう風にも見えてて。どっちかっていうと、私は、真ん中が結構はだけてるように、首元がきつく締められているっていうよりかは、首元がゆるって開いてるように見えてて。
で、なんだったら、ちょっと白い部分はもしかしたら握り拳の手みたいなふうにも見えてくるから、もしかしたらこの後脱ぐんじゃないかなってw

 

遠山の金さんですか?w

あ、金さんwww でも、ちょっと手がちっちゃいんで、顔に比べたら。白いところは手じゃないかもな~とは思うんやけど。だからマナーみたいなっていうよりかは、どっちかっていうと、脱ぎ捨てるような荒々しさの要素の1つなのかなって衣服から思いました。

ちょっと和服っぽいのと、どっちかって言ったら着崩してるぐらいな。胸元はだけて。礼装をきちっとしてるという話もありましたけど。はい、ありがとうございます。はい、しずかちゃんどうぞ。

私、このね、白いの猫だと思ってたんですよw

おおww どこどこ?どこが猫?

 

ちょっと横向きの猫w 今のカーソルがあるところが耳みたいで、こいつだけは白いままで描こうみたいな、なんかそういう風にも見えてて。ちょっといいとこあんじゃんって実はw きついけどいいとこあるじゃんって勝手に思ってましたwww この白に。

ねこてゃん?w

うんうん、右向いてる横顔みたいな感じですか?この人にとっての大事な猫だとすると?

 

うん、そう。なんか自分の、多分捨て猫とかじゃなくて、飼ってる猫が、懐いてる猫みたいなものが、懐に入ってるっていうw

で、それをこう抱き抱えてって感じかな。そうすると、まんざら悪い人じゃないかもしれない。怖い狂気だけの人じゃないかもしれないw

そうw みたいな。

ありがとうございます。他どうでしょうか。
はい、遠藤さんお願いします。

猫には見えないんですけれどもw でもまぁ確かに言われてみたら、ここだけ白いっていうところが、今ここだけは白くっていう風にしずかちゃんも言ってくれたんやけど、まだ色が塗りつぶされていないみたいな、余地がある。
これから色が染まっていくのか、それともここだけは純白の心とか清い心とか、何かそういった汚れてない部分なのかなみたいな一部にも見えてくるなっていう風に思っていて。
まぁちょっと形はだいぶ歪やけれども、位置的には心臓の位置とか、そういう風にも感じられるので、もしかしたらそこにある白っていうところに、何者にも染まらない清さはあるのかもしれない。

うん。周りの色とはちょっと違う特別な感じがしてる感じですかね。はい、ありがとうございます。しずかちゃんお願いします。

さっきの、ちょっと戻っちゃうんですけど、着物かスーツか説だと私も着物かなと思っていて。はだけてるかなと。それは首のところが、青と赤で塗られてて、で、顔もおでこの辺が赤と青で塗られてて、ここの赤と青が似た色なので、肌としてこの色で塗ってるのかなって思うと、ここはやっぱ肌が見えてる部分なのかな。ちょっとこの胸元がゆるく開いてる。

うん、肌が見えてる。覗いてる感じですかね。だとすると、ちょっとさっきも言ったように、着崩してる感じ、和服で胸元がはだけてるってことですけど、そっから感じることとかってあったりしますか。

あ~だいぶゆるいので、正装とはちょっと逆の印象になるっていうか。縛られたくないとか、楽な服を着ていたいというか。そういう体が自由でいることみたいのを好む人。タイトな服が好きな人と、すごいゆるゆるの服なのが好きな人がいて。ゆるゆるの服が好きな人って、きついのがヤダって言うじゃないですか。なんかそういう感じの人に見えますw

窮屈に生きるのはまっぴらごめんだ!

ぎゅっと縛られるよりは、ゆるいのがいいっていう感じ。なんかリラックスする感じとかですかね。はい遠藤さん、お願いします。

はい。楽さみたいなことって言うと、なんか私、口元がちょっと舌をペロってアインシュタインみたいに出してるように見えててw ヒゲが黒いところで、その下にちょっと三角のペロって出てるのが舌で、で、まぁその下の赤は下唇なのか、顎なのかわかんないけど、だからちょっと「ベー」ってしてる感じがするから、その規範とかルールに対して、あっかんべーみたいな感じで逸脱しようとしてるみたいな、ちょっとそういうような表情にも見えてます。

「あっかんべー」の由来は「あかめ(赤目)」の音変化だそう!

あ~~~はい。ちょっといたずらっぽい感じ?

いたずらっていうよりかは、もう反旗というかなんて言ったらいいか。

うん。反旗。なんかこう、何かに抵抗してる感じじゃないけど。

そうだね、うんうん。

うーん、なんかでも、最初の方に目が怖いとか、色がきついとか、ちょっと狂気みたいなのが出てたけど、今のこのゆるさとか、舌を出してる、こう反発するような感じとか、ちょっと違う感じなのかなと思うんですけど、その辺皆さんどう見えてるんでしょうね。

なるほど。確かにその話で言うと、最初はちょっとやっぱり病んでるみたいな、病的な狂気っていう話もあったけれども、そういう風にも見えてて、でも今はどっちかっていうと、ものすごいエネルギー、強いエネルギー、溢れんばかりの強さみたいなところ。やっぱり目が充血していたりもするので、その血走る目みたいなところからも。

そのエネルギーっていうのはポジティブさみたいな感じのエネルギーなんですか?

あ、怒りですね。

あぁ?(ひーっ!)

お、怒り!ふーん、それは目から感じる?

そうだね~。なんかやっぱその、物言いたげ、わかってほしいみたいな話を目から最初したんやけど、あと、あっかんべーのその抵抗するみたいなところも、怒りに対して自分がどういう感情の露出をするかみたいな。

 

あぁ。ちょっと待ってね、自分の感情の露出っていうことは、これは基本的に自画像?

あー!そうですね、自画像だと思って見てました!

ふ~ん!だから描いてる画家自身が、今の遠藤さんのあれだと、自分の怒りみたいなものを表現しようとしてる。

そうだね!

皆さんもこれ自画像でいいですかね。なんか他の見え方してる人とかっていないですか?

遠藤さんちなみに自画像って思ったの、どっからなんですか?

これ~、他者やとしたらwww

うんうん、そっかそっか、これ他人じゃないってことねwww

なんか踏み込みすぎてるよな、これが他者やとしたらwww

 

そっか、確かにねwww

もうちょっと聞いてもいい?w 踏み込みすぎてるっていうのは?w

なんだろうw 感情がテレパシーみたいに伝わりすぎているというか。

 

その本人じゃないと描けないぐらいの感情がここに現れてる、込められてるってことですかね?

そうだね~!

次元を超えた個人の内面の発露…!

うん。それは私も確かに納得しました。確かにw 踏み込みすぎっていう表現がなんかぴったりな感じがして、他人にはなんか見せない、覗けないぐらいの、結構すごく内面の強い感情がやっぱ現れてる感じがしますね。目、色。多分この塗り方とか全体から。
きーぼーはどう見てんの?きーぼーも自画像でいいんすか?

 

めっちゃ悩んでるよなさっきからw

嫌い?www

嫌いじゃないwww 前回の作品より嫌いじゃないwww(前回鑑賞はこちら)いや、自画像かなとも思うんです。でも他人やとしても、誰かを描いたとしても…なんて言うのかな、他人を描いてるとしても、この描いてる人のパワーとかなんだろうなっていう感じがする。

描いてる人の側のパワー。描かれてる側と描いてる側って言ったら、描いてる側のパワー?

そうそうそう。作家の。この描いてる人が作家自身なのか、他人なのかちょっとわかんなくて、他人かもしれないんだけど、他人だとしても、なんかここがね今難しいところw 他人だとしても、作家な感じがするんです。

うん!???w 今言った作家ってのは、この描かれてる人のこと?

描いた人のこと。筆持ってこれを描いた人。ここに描かれてるのは仮に他人だとしても、表そうとしてるのは、画家の強い意志とか考えな感じがするのかな。

 

食っちゃってるってこと?もう画家が、被写体を。

僕らさっきから感じてる狂気だとか、あとは何かに対する反抗みたいなこととか、リラックスみたいな色々あるんだけど、そういったものがほぼ全てこの描いてる人の狂気であったり、描いてる人の反抗とか、そういうことなのかな?

うん。でも、そうですね。自画像の方が可能性は高いんだろうなって思うんですけど。どっちにしても、その画家のそのパワーとかエネルギーとか何か反旗を翻したり、なんか伝えたいものを絵が表してるんだろうなっていう気がする。当たり前なのかな????w

はい、遠藤さんお願いします。

 

はい。この人物の顔周りをよく見ていくと、すごく頬がこけているように見えていて、結構ガリガリなんかなって思って。で、それで言うともしかしたら食べるのに困っているとか、少しそういう痩せ型の人なのかなっていう感じがするのと、あと眉毛がすごく黒くて凛々しいし、髪の毛の一部分も真っ黒。ちょっと赤のところはどうなのかわからないけれども。なので、ちょっと黒々しいみたいなところからある程度の若さみたいなところは若干感じていて。その若さって言っても、ティーンエイジャーとかそういうことではなく、20代以降な気もするけれども、そういった満足していない状況に対して発されているエネルギーみたいなもの?怒りだろうが、わかってほしいみたいにアピール・求めるみたいなところだろうが、全ての欲望がもう前面にこうバーン!!って押し出してるような、そういう感じがしてきました。

足りてない足りてない足りてない…!!

今の若さゆえっていうところと、わかってほしいっていうのが結びつくってのはどういうことなんだろうな?

その、若い時っていろいろ飢えてるし感情の整理下手じゃないですか。だから「私はここにいる。見てくれ!」みたいなことだったり、あとはあっかんべーをして、何かに怒るとか。で、その全ての欲望が、ぎゅっ!てこう合わさって、この1つの絵になってるっていう。だから、もっともっといろんな感情がある気がしてきた。

いろんな感情がある?

猫、大事にしたいとか?www

wwwww

はい、きーぼー、お願いします。

猫のとこの話なんですけどねw 僕、やっぱり手に見えるなっていう気もしてて。赤いとんがってるのが、ペンか筆かクレヨンかみたいにも見えるんですよ。だから、赤い何か描くものを握りしめてる、懐に忍ばせてる白い手みたいなのにも見えてて。で、その遠藤さんが今言わはった欲望をぎゅっとしている。それをすごいエネルギッシュに描いているんだけれど、この手だけはまだ、まだというか、この手はこういうのに染まってなくって、他にもいろんなものを描いていこうとする手。今は、赤い描くものを握ってこれを描いているけれども、これから先は他のものも、いろんなものを、いろんな感情を描いていこうとしているのかなっていうことを、なんか今考えました。

ぎゅっっっ!!!!!

うん、手じゃないか。今持ってるものが赤い描くものだとするとね、この作品自体が結構もう赤で占められてますけど、今この手でこの作品を描いてるのかなっていう。

あ、そう。そう思うと、やっぱり自画像な感じがしますね。

 

あー、はいはいはい。
しずかちゃんお願いします。

はい、ちょっと他の部分で。背景が赤っていう話と、赤だけじゃなくてジグザグの線と、あとこの人の絵の右の方の肩の部分からなんか三角のものが突き出していて、この突き出してる三角は、結構この着物の描き方と色味とかも似ていて。
そのさっきね、この人の欲望がぎゅって詰まってるっていう話があったんですけど、そういうものが、もうね、溢れちゃってるというか、飛び出してる、突き抜けてるw なんかもう飛び出しちゃってるみたいな。収まりきれてない、自分の体の中に。みたいなそんなふうにも見えてて。
で、反対側のギザギザも、ジグザグのとこも、ちょっと空気が歪むというか、ビリビリするみたいな。そんな周りに与える緊張感というか、周りも熱に当てられるみたいな。そんな強さを背景のこの直線からすごい感じます。

抑えきれない俺の衝動…!

あー、はい。こう、空間が歪むぐらいのなんかエネルギーがもう溢れ出てる感じ。

うん。でもこっち見てほしくないwww なぜなら受け止めきれない!w

確かに~www

最初からきついって話ありましたけど、やっぱり受け止めきれない?w

受け止めきれないw そんな目で見られてもちょっと受け止められないよっていうw

なるほど~~。はい、遠藤さんどうぞ。

はい。これが自画像なのだとしたら、第三者に見てもらうとか、第三者の目を意識してっていうよりかは、自分に向かってこれを当ててるんじゃないかなと思って。今、しずかちゃんが受け止めきれないっていうぐらいのものを自分は全てを受け止めて、次のネクストステージへ行くみたいな、今自分がどこの地点にいるのかを再確認させるような、そういう内省の時間なのかなっていう風にも。

自分とは何者なのか、自分はどこへ向かうのか

あ~なんだろう、自画像だから、自分の内面を自分でこの画面の上に定着させてる?

うん。そのあっかんべーとかの怒りみたいなところは、もしかしたら「お前もっといけるやろ!」みたいな。自分を鼓舞するじゃないけど。あと「バーカ!」みたいな、自分の現状に対して怒ってるみたいなことだったりとか、馬鹿にしてるみたいな感じもしてきます。

うん、自分で自分をもっと煽って焚きつける。

そうそうそうそう!

そうか。そうすると、それってちょっと狂気とは違う感じがするね。なにか自分を描きながら、そうやって自分をもっと鼓舞してるような。次のステージに上がってく。非常になんかポジティブな感じもしてきますけども。どうですか。きーぼーとか。

 

めっちゃ悩んでるよね、今日w

難しいwww

 

はい。しずかちゃんどうぞ。

今の遠藤さんの話聞いてて、確かに受け止めきれない、でも自分に向けての自分の顔として描くのであれば、なんかわかるなっていうのと、それであれば、狂気ってこう常識を外れた荒ぶる感情みたいなことだとすると、自分への決意表明?さっき言ってた「ネクストステージ行くぞ!」みたいな、そういう決意表明としての絵って考えると、ものすごい強い決意みたいな感じて、狂気とは確かに少し違う捉え方もできそうだなって。
「もう自分は変わるんだ!」みたいな、そういう強い決意みたいなものはすごく込められてそうだなって感じがしてきました。

はい、ありがとうございます。というわけで、今日はこの作品見てきました。
最初ちょっときつい、この作品見れるかな~みたいな感じの印象でしたけども、何かそれが、作者自身が自分に向けた叱咤というか、次のステージに自分を焚きつけていくような、なんかそういう自分に向けたエネルギーみたいなのをぶつけた自画像。それを我々がこう、どれだけ受け止められるかなって感じで見れたかなという風に思います。
はい、というわけで今日は鑑賞はここまでにしたいと思います。ありがとうございます。

今回鑑賞した作品

萬鐡五郎『赤い目の自画像』(1912-13) 油彩・画布 60.7×45.5cm 岩手県立美術館
パブリック・ドメイン

アフタートーク

前回のさ、『アメリカン・ゴシック』も緊張感漂ってたけど、全然違う緊張感やったね。

グラント・ウッド『アメリカン・ゴシック』 1930年 油彩、ビーバーボード 78 cm × 65.3 cm (31 in × 25.7 in)  シカゴ美術館

なんか反対だなと思った。中が伺い知れないみたいなことに対して、この人はもうダダ漏れにさせて、さらに「わかってくれよ!!」みたいな感じも。すごい真逆な印象があったw

あーそっか!!その「わかってくれ!」に対して受け止めきれなくてこっちはさ、コミュニケーションを断絶させようとwww

 

そうそう!そうなの!こっちが今度三叉みたいなの持って「入ってこないで!」ってw 家の窓ばーっ!て閉めてねw

前回の絵とこれと向かい合わせに飾ったら、すごいことが起こりそうね!www 熾烈な争いが始まる。

ほんとだね!すごいねwwww

そうだね。でもね、そうなったらマジでこの人ジョーカーだよねw もう通報されちゃうから。やべえ男が近づいてきましたってwww

だからこの懐に持ってるのが、筆とかにも見えるけど、なんかナイフとか包丁にも見えるんだよな。刃物に見えるんだけど。

あ~~~~~~なるほど!ちょっと尖ってるっていうところ?

そうそう。で、やっぱり赤から血を連想したりもするし、肌が赤いってことは、なんかもう一皮めくれてもうそれこそ中の皮膚が剥き出しになるぐらい。そう思うと、もうなんかヒリヒリするじゃんこんな赤身の肌。って思ったんですけど。

もう出てんなほんま、内側からの全てがwww

ちょっとリアルですもんね。確かに、このおでこのとことか、確かに皮膚が剥けたみたいな赤色してる。心配になっちゃうんだけど、この人大丈夫???

うん、“筆のようにも見えるし、凶器の刃物のようにも見える”みたいな、絵を描いていること自体がそういった何かをこう壊すとか刺して傷つけるとか、ちょっとそういう感覚に等しいのかもしれないね。

うんうん。あときーぼーが言ってた手だけ白いっていうのはなんかすごい面白いなと思いました。

 

そこだけ白、やっぱり気になりますよね。

その握ってるっていうのから、ちょっとそこにも気持ちとかが現れてるような気がするなぁ。ぎゅっとしてるって。

やっぱり前回のおじさんもぎゅって三叉握ってた!!!!!www

 

にぎり拳対決ですよwww

 

あー、自分にとっての1番大切なものを握りしめている。それがやっぱり武器にもなるし、壁とか鎧にもなるし、自分を守るものにもなる。

おお~~~すごい。『ペンは剣より強し』とかって言葉ありますもんね。

あーそうだね。ちなみに対話型鑑賞やったらみんな何を持つんやろうな?対話型鑑賞において、ペンみたいな筆みたいな役割を担うもの。

え、『言葉』とかじゃなくて?

そうなるよな~。道具に頼らへんってことやんな。やっぱ道具ってさ、あるとなんか握ってるとちょっと安心しいひん?何かがある、自分にはこれがあるみたいな、確かなものとして実物で。やっぱ言葉ってさ、空中戦やからさ、掴もうと思っても掴めない不安定さみたいなところが、私たちずっと不安なんかもしれへんwww

そうかもね~。いや~確かにこれ持ってればいいっていうのがないから。ファシリテーションするのが怖いみたいなのも、なんか掴みどころがないからだよね。

本当に人が言ってる言葉がこう掴める感覚もあるし、逆に掴めない感覚もある。作品とか、その日によってとか。「掴める」とか「掴めない」って感覚は言葉に対してもあるかもって気がする。

やっぱ確かなものみたいなのって、すごい自分にとって力になるっていうか、安定とか落ち着きとか、安心感みたいなものを与えるんやな。不確かなものに対しての不安がやっぱりある。

そして、なんか不安な時ほどそれを握りしめちゃうんでしょうね。だからこの人も多分“変化したい、でも変化できるかな?”みたいなきっと不安があって、だから「これでやってくんだぜ!」みたいな決意として残してるのかも。

確かに。「絵」としてっていう、形に残るものとして仕上げるみたいなのも1つ、目の前に存在することによる安心感を求めての…。絵を描くってそういうことなのかな!?!???

 

うんうん、そうかもね!残したいみたいなので。
ねぇきーぼー大丈夫?www

(熟考している顔)いや、今の話、全部前回の絵のことのように聞こえてて。

おお~~~~

あの人たちは変化していく世の中で“変化したくない”っていう。

あーなるほどね。で、握りしめるわけか。こう確かなものを掴んでおきたいみたいな気持ちで三叉みたいのを。

あれがなくなるともしかしたらぐらつくんかもしれへんな。

なぁ!そうかもしれん。

えー!そうかもね!そうするとこの人もこの握ってるペンと筆と手がなくなると、ジョーカーになっちゃうってことだよね…!

あぁもうフラフラしちゃう!

そう。で、もう“狂気のみ”みたいな。

危ないw 野放しにしてはいけないw 筆がより所過ぎるw
あー、面白いな。なるほどな。なんか絵を描くっていうことが初めて今わかった気がする!!

すごくない!?www 私は握りしめるっていう、その“モノの確からしさ”っていうところが、なんかすごい響いた。

いや~2つの作品が繋がるとは。

ね、対極の部分と共通の部分とみたいなので。偶然だよね。面白かった!

こういう発見もあるから面白いよね、連続でいろんな作品を見るのって!

「関わらない」選択ではなく「関わってみる」ことで気づけたことがあった2作品でした。

おわり

最後までお読みいただきありがとうございました!

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次回は11月18日(月)ごろにUP予定です。またぜひ読みにいらしてください♡

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