#26【やってみよっ対話型鑑賞】信頼が何より大事？治療に向き合う姿勢とは？

どこっぷ

2025年2月9日 23:41

オンラインで、絵画作品をおしゃべりしながら30分程度じっくりみていきます♪
※作品情報は鑑賞の最後に紹介します。

メンバー

今日のファシリテーターはきーぼーが担当♪

鑑賞スタート！

今日はこの作品で鑑賞をやっていきたいと思います。見え方は大丈夫ですか？サイズとか、端が切れたりしてないですか？

はーい！

では、まずはみなさん、1人で静かにじっくりと鑑賞をしてみてください。少し時間を取りますね。

（じっくりみる）

そろそろ始めたいと思います。では、今、見ていただいて見つけたものとか、考えたこととか、思ったこととか、色々あると思うんですけども、色々話しながら鑑賞を深めていきたいと思います。どなたからでも大丈夫です。どうでしょう。手を挙げて発言をお願いします。

はい！ｗ

はい。遠藤さん！今の鑑賞時間、めっちゃ笑ってましたねｗ

もうツボに入っちゃってｗ手前の右に、今にも死にそうな人がいるなと思って、この人の顔がツボに入っちゃって笑ってましたｗ

この人が死にそうでツボにはまったｗ

あっはっはｗｗｗごめん、性格悪すぎるなｗ

ちなみにどんな顔なのかもうちょっと聞いてもいいですか？

それがね～、なんて言ったらいいのかな。脱力、もう首に力が入ってない。首が少しこう、もう重たくって、傾いてるみたいな状態。で、口半開き。目がどこも見てない。ただ開いてるだけみたいな感じ。で、ちょっとハの字眉毛。で、ちょっとハゲ散らかしてる感じですかねｗ

ただハゲてるでなく、そういうところから死にかけてると。ありがとうございます。ちょっと死にかけている男性が面白いということでしたｗ

そのパラフレーズひどいよｗひどいｗ

ｗｗｗｗｗ

他の方はどうでしょうかｗ思ったことでもなんでも。ではしずかちゃん！

はい！背景が真っ暗だなっていうのが1番印象に残りました。

このあたり全体ですか？

そうそう。薄っすら人影みたいなのがいるんですけど、遠藤さんの言ってくれたこの男性、死にそうな弱ってる人の上のところとか本当に真っ黒で。ポートレードモードみたいに空間を感じさせない暗さ。
壁とか天井とかも、全くこう、感知できない黒さが怖いなというか、不気味だなって思いました。

ありがとうございます。この背景の方を見ていただいて、顔とかもあるけれども、上の方はもう真っ黒で、怖さも感じるっていうことでしたが、黒いから怖いという感じですか？

んと、なんか空間がない感じ。「無」って感じが怖いのかな。

無っていうと、虚無みたいなこと？

そうそう。そういう「無」。部屋の中とか、建物の中にいる感じがしなくて、なんか「無」の中にいるような感じがするかな。

面白いですね。もうちょっと聞きたいんですけど、こう、広がってる感じの無ですか。それか、ギュっと詰まってるような感じですか？…あれ、この感覚って伝わるかな？ｗ

？？？？？

広がる「無」ってなんですかｗ

僕が思ったのは、宇宙とか空間が無限にある「無」。向こうに際限なくあるっていう感じ。それなのか、重たくここにある「無」なのかって感じでした。

あー、それで言うと、後者の方がなんか感覚的には近いかもしれないですね。動かなそうな…うん、そうですね、重い感じ。

ありがとうございます。ちょっと背景の黒いところから考えていただきました。はい、他の方はどうでしょう。ではカワセミさんお願いします。

はい。そのコップを持ってる人が、その死にかけている人に飲ましてあげているのかなっていう感じもするし、飲まして、「これを飲んでもうちょっと元気になれ」みたいな。そうじゃなくて悪意がある感じっていうか、実はこれを飲ませたから、こんな感じになっちゃったみたいな感じもする。

なるほど。こっちの人（左）に注目してくださって、コップ持ってるところから、飲ませてるんじゃないかと。

そう。飲ませて元気づけてあげてるのか、それとも最後だから、この死に水みたいになにか飲ませてるのか。でも、そうじゃなくて、これを飲んだことによって容体が悪化しちゃって悪くなっちゃったのかな。どっちかわからないんですけど、でもこう、ぎゅっと握りしめて完全に抱え込んでるところから、この人にコントロールされちゃってる感じかな。右の男の人の方が。

なるほど、コントロールされてる感じ。ありがとうございます。ちょっと時間軸みたいなことを考えてくださったんですかね。この水を飲んだことによって死にかけたのか、死にかけてて助けようとしているのか。もしくは最後のトドメをこの水で刺そうかっていうことですかね。

トドメｗｗ

うんうん、ありがとうございます。コントロールっていう言葉も面白いなと思ったんですけども、このコップ持ってる人の行動というか、どんなことしてんのかなみたいなことを考えてもらいました。ありがとうございます。

今の面白かったんですけど、持っている飲み物が何なのかが、全面を手で覆われているのでこの中がわからないみたいなところが、もう怪しさ満点って感じだなって思ってｗ
これが薬にも毒にもなるみたいな話だと思うんですけど、私、その手の下の白い襟の部分、そこの部分がナイフに見えてて。なので、一見脅してる。ナイフで。心臓のところに。脅してるようにも見えるみたいな、ダブルミーニングに見えてます。

ありがとうございます。薬だとしたら、治そうとしてるし、ナイフだとしたらってことですか？

そう。ナイフだとしたら脅そうとしてる。

ちなみに、なんて言って脅してる感じとかありますか？

いや～、もう死にかけの人に脅してるんって何って感じよねｗあ、違う、もしかして死にかけてるじゃなくて…いや、死にかけてるよな～。ナイフで脅す…脅したからぐったりしてる…。う～ん、ちょっと難しいですね。

ちょっと難しいところで。ありがとうございます。この辺、ナイフにも見えるなってことでした。

いや、うん、面白い。全然自分にはナイフには見えなかったので。でも確かに見えるっていうのが新鮮でした。
って思うと、この男性の顔を見るとどんな表情なんだろう？

こっち（コップを持つ男）の人？

うん。ポジションが今曖昧な人ですね。口はぎゅって結んでて、力を込めている感じ。で、目は何も見えてないような感じもするっていうか。
だからもう諦めてて、「あ、この人ダメだ。もう死んじゃうから」って言って、最後に寄り添う自分の気持ちを落ち着かせるために、感情を出さない目をしているのか。カワセミさんの言ったトドメを刺す覚悟のこの暗い目なのか。結構判別つかないから、確かにね、どっちにも見えるなっていうのがさっきからちょっと気になってたとこです。

ありがとうございます。結構この表情を見てくださって、口元を結んでるところとか、目の視線とかで、なかなかこう捉えにくい。どっちにも見えるような感じであるということを発見してくださいました。他、どうでしょうか？この二人のことでもいいですし、他のところでも大丈夫です。ではMahoさん、お願いします！

私は死にそうな人が、死にそうな割には左手で掴んでいる布団っていうか、上掛けにちょっと手に力が入ってそうな気がして。死にそうな人はもう少し脱力してるんじゃないのかなという感じで、カワセミさんの、これからトドメを刺す的な方にちょっと気持ちがいってます。

ありがとうございます。手元の方を見てくださって、こっちの手がぎゅっと何か握ってるような、力が入ってる感じ。からすると、死にそうだけど、まだ力はあるんじゃないかなっていうことですかね。
そういうところから、トドメを刺す方かもしれないという発見をしてくださいました。ありがとうございます。

ちょっと周りのこと話してもいいですか？周りのこの怪しげな亡霊みたいな人たちが囲んでるのがやっぱり、この緊迫したシチュエーションの中だと見逃せないなって。

亡霊みたいな”人たち”ってことですけども、何人ぐらいいますか？

これ・・3人？右の人と、あと1番左側と、その脇にあるのはこれも人？この男性（コップ持った人）の腕のとこと、左の顔の間にあるのはこれも人なのかな？

ズームします。こんな感じ。

わかんないｗけど怖い！夢に出てきそうに怖いｗ なんか持ってる？紙みたいなものを持ってる？その顔(左)の下。

これですか？…ほんまや。

そう。その下が手っぽいから、何かを見てるのか。なんだろう、財産目録みたいのを見てるのか。なんかとにかく、なんだろうな…悲しくて見守ってるようにも見えるけど、何か企みがあって周りを囲んで見届けようとしてるようにも見える。

ちょっと企みを持って見届けようとしてるっていうのは、どこからそう感じられますか。

やっぱ顔の影のとこですかね。顔が、なんかこう目の周りのとこが影になってたりとか。あとね、反対側の右側の人もやっぱちょっと怖い。
で、その真っ暗な中にいるところ。出てきて一緒に見守ろうとしてないところとかも。“隠れてるけど何か思惑あり”みたいな。そんな感じで受け取っちゃいますね。

うーん、隠れてるけど、なんか思惑があるんじゃないかなっていう気がすると。なるほど。他の方はどうですか？

今、一番左の奥の黒い人が手に持ってるもの、財産目録なんじゃないかって話もあったけど、私、銃に見えてて。なので、この人はこの緑の人を脅そうとしてて、緑の人はこの白い病人を脅そうとしてるみたいな、連鎖してるような感じがしていて。「ヤバ」って思ってますｗ

それヤバいね！財産目録どころじゃなかったｗ

それは何のために脅してるんですか？

いや、私もそれを考えてたんやけど…やっぱり死にかけの人がお金持ちそうにも見えてきて。なんでお金持ちそうなのかはちょっとよくわからへんにゃけど。どこからなんやろうな。この白い服と羽織りも、そんなに高級な感じもせえへんけど…。でも財産目当てというか、そんな感じがします。

なるほどー。この死にかけの人が相当な資産家というか金持ちで、こいつ（コップの男）が脅してるかと思いきや、実はもう1人脅してるやつがいるというｗ 拳銃で脅してるという想像をしていただきました。ありがとうございます。面白いｗ
他の方はどうですかね。Mahoさんとかカワセミさんとかどんな感じですか？

後ろの一番左の人物は、鼻筋がしっかりしてて、真ん中の男の人にちょっと顔立ちが似てるかなと思います。

こっち（コップの男）の人？

はい。で、額が広い感じで、耳が張ってて。なんでしょうね…うーん、親戚ってことはないでしょうけどｗ 繋がりがある人物なのかもしれないんですけど、でも狙ってるみたいな。親しくても狙われてるみたい…。狙って、狙われる…そういう関係みたいな感じもします。

うーん、ありがとうございます。左の人とコップの男が似ていて、親戚とかかもしれないと。

あ、最初、しずかちゃんがこの真っ黒な背景のところから、家の中とかっていうよりかは「無」みたいな空間を感じるみたいに言ってくれたとおり、ちょっと非現実なんですよね。なので今、カワセミさんが言ってくれた通り、まさに同一人物なんじゃないかなって私も思って。
だとすると、この後ろにいる３人っていうのは、緑の人の中の心の中にいる“闇３人組”みたいな感じで。薬にも毒にもなるっていう話をしてるように、頭の中に天使と悪魔がいて、なんか言い合ってるみたいなｗよくあるじゃないですか。ちょっとそういうシーンにも見えてきてます。

なるほどなるほど。この緑のコップ持ってる人の心の中の人格というか、そういう人たちがいるんじゃないかと。ちなみにそれで言うと、左右のはどんな人たちっぽいですか？

ねー怖い。増幅してってるのかな、ちょっと闇の方が。助けるっていう方より、殺すみたいなのの方が強くなってきて、増えていってるみたいな？

じゃあ、さっき天使と悪魔っていう言葉がありましたけど、この人たちはみんなどちらかと言えば悪魔の方。

そうそうそう。

おお、ありがとうございます。悪魔、心の中の。

やっぱりこの緑のコップ持ってる男性が、この絵の主役なんだなっていうのは改めて思ったんですよね。この人はやっぱ一番光が当たってる感じがするし、死にそうな方は顔色が悪いけど、でもそれ以上にこっちの緑の人のおでこの辺とかにやっぱ光が当たっていて。
なので、この人がこの後どうするのかとか、この人の決断とか。うーん、心の迷いみたいなものが、一番描きたいポイントなのかなって。
って思うと、さっき遠藤さんが言ってた後ろが心の中の天使と悪魔の悪が増えてるみたいってのも、結構しっくりくるなと思って聞いてました。

んー、なるほど。ありがとうございます。こっち（コップ持ってる人）がやっぱり主役。作家の意図としてはこっちが主役で、その心の中の様子が描かれてるんじゃないんだろうか。光の当たり具合から、そうなんじゃないかなっていうことですね。ありがとうございます。

もう1個だけ言っていいですか？なんかでもね、ちょっとだけ思ったのが、このコップ持ってる男性のコップ持ってない方の手は、手つきが優しそうなんですよ。

おー、本当だ。柔らかい。

初めにこの白い、死にそうな人の首元、布が引っ張られてる感じがしたから、手でぎゅって首元を掴んでるのかと思ったんですけど、でもそんなことなくって、結構優しく手を置いてる感じが。だからそんなに、ひたすら暴力的な感じには見えないんですよね。

ありがとうございます。こっちの新しいところ見つけてくださって、上掛けはぎゅって握ってるっていう話ありましたけど、コップの男の左手は優しく添えてるように見えて、ってとこから言うと優しさがあるんじゃないかなというようなことでした。ありがとうございます。他の方どうでしょうか。

今の優しさの話で言うと、指先、その肩を支えてる中指の先端がちょっと赤いなって思ってて。

ほんまや。

で、やけに唇の色とか、耳の左下の部分とか、あと顔全体もやけど、赤い色が差し込まれてるなっていうとこで、“血の通った人間”ってよく言うけど、そういったちょっと温かみのある、そういう意味でも優しさというか、人間味はあるんじゃないかなっていう。希望はちょっと感じ始めましたね。

ありがとうございます。このすごい細かいところ、赤いところ見つけてくださって、“血の通った人間”っていう言葉のように、優しさのある人物なんじゃないかと。ありがとうございます。おお、面白い。
他はどうでしょうか？出てないところでもいいし、色んな話でもいいです。ではMahoさん、お願いします。

さっき後ろの背景にいる人たちって“悪”みたいな感じだったんですけど、血の通った男の人っていう話から、左側に見えている人たちは、若干顔色が伺える感じの描かれ方をしていて。
で、遠藤さんは拳銃を持ってるって言ってたんですけど、私、祈りを捧げる本みたいなの持ってるようにも見えるなと思っていて。
その代わり、死にそうな人の後ろにいる方は、ちょっと怖いっていうか、得体の知れない人みたいな怖さを感じるので、そっちは悪かもなと思って見てました。

なるほどなるほど。ありがとうございます。さっきはこの後ろはみんな悪魔なんじゃないかっていうことでしたけど、こっちの人は拳銃じゃなくて本のようにも見えるし、祈りを捧げる天使側の人なんじゃないかということですかね。ありがとうございます。次は遠藤さんお願いします。

下のお布団のところなんやけど、さっき、ぎゅって握りしめてるっていうようにMahoさん言ってくれてたところが、布を剥がそうとしてるみたいな手つきに見えてて。
要は、その赤いところが、結構目立つというか、結構不自然な。まるで血のような、肉のような色している部分だなって思ったので、元々は白いシーツがその上に被さってて、それをめくった状態なのかなっていう風にも見えてるので、悪事を暴くじゃないけど、ここが内面だったり本心だったりみたいな、ダイイングメッセージみたいになってくるんやけどｗ、血みたいな怖さは感じます。

ありがとうございます。ここの赤いのが、血っぽい、肉とか血っぽい感じってことですよね。で、シーツが最初は、こっち（絵の左下）までかかってたんじゃないかなっていうことですかね。

そう。シーツの端っこにフリフリがちょっとついてるように見えてて、それが端っこのシーツの部分なのかなって気がするので、めくってきてズリズリ上がってきたのかなって。

なるほど。下まであったのが、こう、ズリズリ上がって悪事を暴くっていうような、何か見せるようなことなんじゃないかと。ありがとうございます。面白い。他の方、どうですかね。

ちょっと色々と判別つかないところがあるので、そっからなんだろうっていうところが難しいんですけど。でも、絶対にこのコップを持った男性の状況には自分は置かれたくないなとは思いましたｗ

“置かれたくない”とは？ｗ

なんかやっぱね、決断を迫られてる感じはするんですよね。緊迫感がある。私は結構そのピストルに見えてるっていうのが、そうかもなと思って。
この人もこの状況から逃れられないし、何か自分で本当はそんなにしたくないことをしないといけないというか、そういう逃げられなさというか。だから、この黒い部分が、男性自身の「無」みたいな、絶望みたいな、そんな風にも見えるなと思って。

コップの男性？

そうそう。“死にそうな男性のお迎えに来ちゃった黒”みたいな風にも最初は見えてたんですけど。でもこっちのコップ持ってる男性の絶望みたいな風にも見えて。すごい気が重くなるし、そういうことにならない人生を歩みたいなって思いましたｗ

なるほど。こっちの人（右）の死っていう絶望もあるし、何かコップの人が決断しないといけないっていう風な重たさというか、絶望とちょっとリンクしてるような風に見えてると。はい、遠藤さんお願いします。

真ん中の人の首元を見ると、ちょっと蝶ネクタイみたいなものがあるのかなって。黒いのが見えてるので割と正装しているような感じが見えてて、なんだろうって思ってたんですけど、ちょっと地位の高いお医者さんなのかなっていう風に見えてきてて。
なので、やっぱりお医者さんっていう職業って、死を間近にした人と接する、すごい数の人と接する中で、この人を生かすか殺すかみたいな判断をすごく自分に委ねられてるみたいな緊張感が常にあるんじゃないかなっていう風に思って。
本当は救いたいんだけども、殺してしまいかねないみたいな、そういうお医者さんの気持ち、状況みたいなのがすごく、もしかしたらよく出た作品なのかなっていう風に、最後見てて思いましたね。

なるほど。さっきのこれが薬であり、こっちがナイフに見えるっていうのとも繋がりそうですね。薬だけど、それが本当に生かすのか殺すのかわかんなかったり。薬と毒って紙一重だと思うんですけど、そういうちょっと医者の悩みというか、すごい重たい責任みたいなのが現れてるんじゃないかと。ありがとうございます。
他の方はどうでしょうか。そろそろお時間ですけども…。

もしお医者さんだとすると、後ろの人たちが待ってるのも「お前らちゃんとやれよ」みたいな、「うちの大事なボスを」みたいなとか、そういう周りのプレッシャーみたいなそういう風にも見えるなとも思いましたｗ

それはここに実際いる人ということ？

そうそう。この「部屋」っていうか、もう「現場」にはいないかもしれないけど、ちらつくというか。
この死にそうな人の家族なのか。遠藤さんの話聞いてて、すごい責任感っていう言葉をすごく感じたんですよね。プレッシャーみたいな。その責任、医者としての責任みたいなものの中に、結構背負ってるものも多いみたいな。

んー、こっちの亡くなりそうな人の親族なり家族なり仲間っていう人たちからのプレッシャーをコップの男性も感じてるんじゃないかと。なるほどー。重たい。

重たいな、これｗ

それは、なかなかこの立場になりたくないですよねｗ

大変なお仕事やな。うん。すごいな。

Mahoさんとかカワセミさんは最後どうですかね。

そうですね。この後ろの人たちが、この病人になりかねないというか、この医者に診てもらいたくて。もしかしたら、こういう人がもっといっぱいいるみたいな、そういう可能性もあるかなと思います。

なるほど。今、この方を診てるけれども、もう次はこっち、こっち、こっちと…カワセミさんの、その「他の人たちがいる」っていうのは、実際にいるっていう感じですか。それがやっぱり、医者が感じてるものですか？

“医者が感じてる”ですね。ただ、後ろはそんなに弱々しい感じでもないから、んーどうなんでしょうね。

なるほど。じゃ、医者はこの人を診てるけども、心の中のどこかで別の人たちを感じてるのかもしれないなと。ありがとうございます。
じゃあ今日の鑑賞はここで終わりたいと思います。
最初は死にそうな人、「無」や絶望なんかの話がありつつ、コップを持った人の責任やプレッシャー、感じているものの重たさのお話に繋がっていくような感じでした。お疲れさまです。ありがとうございました！

ありがとうございました！

今回鑑賞した作品

フランシスコ・デ・ゴヤ『アリエタ医師のいる自画像』（1820年）油彩、キャンバス
ミネアポリス美術館

アフタートーク

嬉しい！私この作品ずっと見たかったから、すごい今日見れて嬉しかった！

へー！なんで見たかったの？

え、もうなんかすごい面白い。面白いって言ったら悪いけど、なんやろ、もう見た瞬間からすごい強烈に惹かれたんよね、この作品！

これ、タイトルとかはわかるの？

ありますよ。「アリエタ医師のいる自画像」。

あー、そうなんだ！これセルフポートレートなんだ！

やっぱお医者さんなんだね～。なんか本当にさ、死みたいなことに真剣に向き合ったり、直面したりとかしないと、たぶん出てこない表現というか。医者が描かれてる作品ってさ、結構「救います」とか「横にいます」とか、そういうのが多い中で、このぐらい逼迫した、生きるか殺すかみたいなことを描いてる作品ってあんまりないかなっていうところで、すごく視点が面白い。

いや、ちょっとセルフポートレート感薄いもんね。お医者さんにやっぱ目がいっちゃう。

自分が殺されてる感じがしたのかな。看病してもらってる時にｗ

で、手をぎゅってやってｗ

下の文章、これがなんて書いてあるかにもよるよね。ここ秘密が書かれてそうやんな。

あ、あるよ！今、Wikiで調べちゃったけど『ゴヤは73歳の1819年末に、彼を苦しめた急性かつ危険な病気にかかったときに命を救った思いやりと気遣いに友であるアリエタに感謝をした。彼は1820年にこの絵画を描いた。」だって。

いや、感謝だけじゃないって絶対！ｗ「俺、絶対殺される！」って思いながら「危なかった～」っていうやつやと思うｗ やっぱダイイングメッセージっていうか、ちょっとコナン的なやつやなｗ

怒りで描いたってこと？ｗ

どっちとも取れるってやつちゃう？w

確かにお医者さんと患者って言う割には、この事件現場みたいな雰囲気があるよねw

うんうんｗｗｗ

事件現場よｗ私たち今日名探偵やったねｗ いやー、寝室に飾ろっかな。すごい好きやわ～この絵。

（え…？）

悪い夢みるよw こうやってなんか飲まされそうになってる夢w

でもなんかすごい緊張感あってよくない？今日死ぬかわからへんよみたいな感じの、メメント・モリ的な感じで。

いや、緊張感すごいけどｗ でも、楽しいことも楽しめなくなりそうw まぁでも相性かもね。これ見て「このぐらいの緊張感を持って日々生きたい！」って思える人はなかなかすごいと思うw
ちなみにきーぼーはファシしててどうだったの？

気になったのは、背景は医者の方の心の中に見えてる話が多かったけど、“死にかけてる人の心の中”っていう風には見えへんのかなって。どこかで問いたかったけど、うまくいれられなかったんですよねー。

あー、確かにね。先祖がもう目の前まで見えてきた。日本で言う三途の川が見えたかどうかってことだよねｗ
でもなんかさ、後ろ側も真っ暗で、この影になってる真っ暗の中に人がいるのと、お医者さんに光が当たってるけど、この死にそうな男の人も光が当たってるから、やっぱ生きてる世界に何か紐づいているというか、そんな感じも言われてみればする。

瀬戸際やんな、「生」と「死」の。

そうそう、この暗いとこと光の中のギリギリのところに確かにいる感じがあるね。

それ聞いたら、左手ってなんかすごい間にいる感じがするなと思って。現実との間にいるっぽいなって。

あー、確かににここだけ暗い！片手はもう、そんなふうになってんにゃな。片手は「死」で、片手は「生」で…お医者さんの手…。
あ～まだまだ話せそうやね！ｗ みなさん、また折をみて、見たい作品ですか？

・・・

え！全員「てんてんてん」やん！ｗ面白いな、なんで見たくないの？ｗ

いや、なんかまた違う角度からもね、話もできるかもしれないなと思いましたよｗ こんなにね、自分を弱々しくかけるなんて。ちょっと不思議な感じ。

うんうん、肖像画っていう視点からか。

うん。こんなふうに自分を描くなんて、頭も一回り小さいし、それがちょっと面白いなと思います。

確かに、絶対肖像画とは思わなかった。こういうワンシーンなんだと思った。でも闇には落ちなそうだね。生還してきそうな感じがあるから、また見てみてもいいかも。

そっか。この後死んでいくみたいな、あまりにも絶望的すぎると、もう見るに耐えない感じがする？

そうそう。ギリギリだったけど、ギリ戻ってきたみたいなふうにも見えるなって。

それってなんなんやろう。もう死とか絶望とか落ちていくだけの作品。作品っていうか、状況みたいなことに「あまり目の当たりにしたくない」みたいな気持ちがあるのかしら。まあ、死は怖いもんね。

自分が見るというよりは、自分がファシリテーターだったらっていう視点で考えて、そん時に最後お葬式みたいに終わるの、ちょっと嫌だなって思った感じかな。

あー、興味深いテーマやな。なんでもう見たくないのか、ファシリ―テーションしたくないのかっていうところの話はすごく興味深いポイントかも。

うんうん。遠藤さんがなんで面白いのかとか、しずかちゃんがこの責任の重たさをなんでしんどく思うのかとか、そこまで突っ込むと面白そう。

確かにね。私めっちゃファシリテーションしたいもんこれ。めっちゃ対話型鑑賞したいみたいな気持ちになる。だから人によって結構違うのかもね。死に対しての価値観とか、場全体でそういうものを話すっていうことに対してもやけど。センシティブなのかな？

いや、どうだろう。私はちょっと、この緊張感に耐えられないっていうところが大きいよね。
私はなんか、結構ピストルを突きつけられていて、「もうとどめを刺すしかない」みたいなふうに見えた時に、自分の意思がないことをやらされるのマジで嫌だなっていう気持ちが一番強かった。ここの人物の状況になりたくないって思ったのは。