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視点の自由研究No.40「視点_自分をラベリングしない」
映像制作という学生時代に好きなものを仕事にした人生を過ごしている私。業界そのものに興味があって入ってきたので、監督やプロデューサーなどの肩書きに憧れがあったタイプではありませんでしたが、最近はさらに肩書きが必要なくなってきたなと感じています。広告映像業界でもプロデューサーやディレクター、プラナーなど様々な職種があるのですが、皆少しずつ自分の本職分野と違う部分を担うことが多いのがローカルの醍醐味かもしれません。
誰かに自己紹介する際にわかりやすいように職種を書いたり、説明したりもしますが、個人的にそこまでとらわれずに映像を作る人だけでもいいなと思っていたりします。
今回はそうした自分をラベリングしない心持ちを書いてみようと思います。
「なんでもやるのがローカル」
以前書かせて頂いた通り、広告の民主化やWEBの台頭で、一つの映像の単価がかつてほど高額予算の映像は数える程度になってきたなと感じています。もちろん東京の大手企業広告とローカルを比較すればその予算はまだまだ雲泥の差はあります。ローカルにいれば少ない予算の中でどう工夫して映像を作るかは大切なこと。そうすると場合によっては複数の業務を一人で行うことはよくあります。企画を考え、演出を練り、どのスタッフと共に作るかというプロデュースまでなんでもやってしまうのが普通でしょう。
「映像制作の民主化で誰でもできる」
さらに現在では、映像クリエイターも登場し、撮影、編集に至るまでを一人で担当する方も出てきています。このあたりは賛否が分かれるところですが、私たちは企画プロデュースに重きを置いた企業をイメージしているので、そこまでを逆に一人で担当するのをやめて、その分予算を頂くというスタイルを選びました。
「映像制作を超えて」
結果としてですが、映像から派生するお仕事や撮影ロケ地のコーディネート、VRやスチール撮影プロデュースなど幅広い案件に関わることができるようになりました。よく営業に行く際にもお話しさせて頂くのですが「この仕事、誰に振るべきなのか?」というジャンル分け、細分化した発注がしづらいお仕事がくることが多くなりました。
これは自分達にとっても願ってもいないことで、映像以外の仕事にトライすることができるまたとないチャンスだと感じています。
そんな自分達を振り返ってみると本当に自分の職種をどう名乗るのが最適かはますますわからなくなってきたなと思っています。
「20年先にはその仕事が存在するのか」
この仕事について20年を超えていく中で、新人時代には聞いたこともない職業も誕生しています。映像業界で言えばYoutuberはその代表例でしょう。テレビもWEB配信が普通になりビジネスモデルも大きな転換を迎えています。
映像自体も誕生から100年を経てその中で関わる職種も複雑化してきました。それは今後もさらなる発展をしていくだろうと希望を込めて思っています。そうした中で、今やっている自分の仕事が今後なくなるかもしれないということも想定をしておかなければならないとも感じているのです。
急速に変わる社会の中で生まれては消えていく職業。そこにどれだけの対応と適応をしていけるのか。生存戦略そのものが仕事を変えていく世の中になったと思います。
自戒を込めて、今ある自分の仕事が消えていくことも念頭におき、いかに次の仕事へシフトしていけるか。今最も自分の中で注視していることです。
そのためにも自分の肩書きを信頼せず、ラベリングをしないで様々なことにトライできる体制でいたいと思っています。
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