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視点の自由研究No.39「視点_疑問を持つことの大切さ」

前回、納得という価値基準で触れたことでもう一つ重要だなと感じていることがあったので今回はそこを書いてみたいと思います。
広告という仕事をしているとよく耳にする「いいアイデアはいい疑問から」という趣旨の話です。

「絶えず疑問を発見することが大切」

企画作業から始まる広告という仕事。その最初に必ず行われるオリエンと呼ばれるクライアントからの希望や案件に対する詳細な情報を聞き取る機会があります。それらの情報を元にアイデアを考えていくわけですが、その段階から既にオリエン情報に疑問が浮かぶことが常です。というよりも疑問を持つようにしておくという心構えで聞いていたりします。

書かれている内容は当然、クライアント内で精査して頂いた内容ですので、それだけでも十分な情報ではありますが、そこに書かれていない気持ちやオーダーなども多分に含まれています。それらを洗い出すためにヒアリングという打合せはとても重要だなと感じています。

みなさんもそうだと思いますが、自分が見聞きしたことを誰か別の人に伝えようとした場合、その詳細を知っているかいないかで伝えやすさも変わる経験をしていると思います。如何に書かれていない情報を紐解けるかも大切な作業の一つだと思っています。

「24時間働けますか」

このコピーは1989年に書かれた伝説的なコピーです。当時のバブル社会を象徴するようなこのコピーも今となってはブラック企業を感じてしまうコピーになっているのが歴史を感じます。

前述のオリエン時の話から深堀をしていくと、全てのことにおいて疑問を持つことはとても大切なことではないかと思っています。広告は特に時代性を象徴、風刺する文化があります。その時期に最も端的に時代性を切り取ることで話題性や拡散性を狙いやすいからでしょう。

そうした時代性は「24時間働けますか」というコピーにも言える通り、時代が変わりゆくことで、その価値基準が変わり当時とは全く違ったニュアンスになることがあります。

今まで正しいと感じていたものが、時代と共に変遷して全く違う価値観になる。今正しいと感じていることにもちゃんと疑問を持つことは、現代を生きる私たちにとっても大切なことだと感じています。

「倫理観、価値観は変わる」

バブル崩壊から30年ほどたち、私たちの価値観も大きく変わりました。SDGs、LGBTQ、働き方改革、コロナ禍によるDXと様々な価値基準が更新されています。

それらを善悪という物差しではなくフラットにどうしてそう変わっていくのか?またこれからどう変えていくのがいいのか?をしっかりと考えるために今一度、今の自分の価値基準にも疑問を持つことは大切な視点だと思います。

自分の人生の中でもこれほど大きく価値観が変わる歴史や時代性はとても面白いものです。今ある善悪、正義も時が過ぎれば全く違う価値になる。人間という矛盾を思考に持つ生物にとって、価値基準が変わることは避け難く、それだけに面白さも兼ね備えているのかもしれません。

そもそも答えすらないのが正義感、倫理観。

願わくば、その変遷がより多くの人の幸せにつながるような変化であることを祈りつつ、そうした未来へ繋げられるように今を大切にし、今という時代に疑問を持って新しい視点を探っていきたいなと思っています。

映像でお困りの方、静岡で撮影されたい方、ぜひ一度お声掛けください。