ひょいと穴から蜥蜴(とかげ)かよ 種田山頭火
季節は移りまして、春から一つ進みました
今は、啓蟄(けいちつ)となりました
冬眠していた虫達がモゾモゾと這い出してくる頃です
昔は、とかげうあ蛇、カエルなんかも虫と呼びました
春雷のことを「虫出し雷」ともいうそうです
七十二侯の方は、蟄虫啓戸〜すごもりむしとをひらく〜
蟄は土に隠れた虫のこと、啓はひらくということです
今年は大雪のせいでたくさんの木々が折れてしまいました
長年、地に根を張っていた椿の木も折れてしまいました
これまで当然にあったものが、ほんの数ヶ月の間に無きものになってしまっている
寂しくはありますが、「他の何か」とくっついて、「別の何か」がそこに成っていくのでしょう
現状に執着すると無常は寂しいばかりですが、春を迎えるにあたり、何か新しいことが始まる予感もあります。