売れる農家が売っているものとは?【読書記録】
この本について
紹介文より引用
消費者は何を求めて「食」を購入するのか、そもそも「品質」とは何か、
「おいしさ」を消費者にどう伝えるか。いかにして「強い食のブランド」をつくるかなど、
生産者や食ビジネス関係者に関心の高い論点を盛り込んでいる。
勉強になったこと
「モノ」ではなく、「コト」を買う
消費者は、「食べるモノ」ではなく「食べるコト」を買うということ。
どういうことかというと、例をあげると消費者は「トマト」を買っているのではなく、いちごを食べた「喜び」や「感動」を買っているということ。
この本でのアンケート調査では「トマト」に支払える金額と、「感動」に支払える金額で数倍の差が出ていることが記されていた。
この本では実際にアンケート調査をもとに結果を示しているので、定量的にもどれだけの差があるかがわかるのが良い。
そしてこの考え方の延長線上に、農家のブランドというものがついてくるのだろうと考える。
品質を高めれば、ブランドイメージが高くなるという誤解
僕はてっきり、作物のクオリティを上げさえすれば売れると思っていたけど、この本ではそれは誤解だという。
この本で書かれているブランドイメージを構成する6つの要素の中で、一番気になったのは「情報発生力」というもの。
よく言われる情報「発信力」ではなく、「発生力」。
どういうものかというと、自分から商品の良さを発信するのではなく、新聞やテレビなどのメディアに取り上げられやすい力のことだという。
「情報発生力」を高めるために考えたこと
この本には、どのように情報発生力を高めるかについては書かれていなかったけど、僕の中で考えたことは3つ。
まず、メディアは新しいものが好きであること。例えば、今年からはじめた観光農園とか新たな売り方をしている農園を取りあげている印象がある。
だから、自分から情報発信をするときは、新しさやちょっとした奇抜さをアピールするのが良いのではないだろうか。
次に、社会貢献をしているものが好きであること。わかりやすいものだと、食育のために学校に講演に行ったり、農家からできる被災地への支援を行うことなど。
最後に、「らしさ」と「らしくなさ」が好きであること。メディアが好きなものは、思いっきり農家っぽい!というものか、農家なのに意外な〇〇!となる情報を好む印象がある。
僕自身は、農家なのに…の方を力入れていきたいなと思っている。もちろん定番はガッチリ抑えつつ。