生まれてきてくれてありがとう。パパはあの朝焼けを忘れません。
きょう、5月17日は僕にとって特別な日です。
愛娘の誕生日。13歳になりました。
近ごろはぐっと大人びて、ふとした瞬間に亡くなった妻の面影を感じます。そんなときは、見惚れてしまうか、抱きしめてしまうか。それで「ん?」とか言われて。僕は照れ笑いで返して。そんな日々を送っております😌
今回は、そんな娘との大切な思い出を書きたいと思います。
3年前のその日は妻の通夜でした。
深夜の葬儀場。僕はひとり、安らかに眠っている妻を見つめていました。
ゆっくりと悲しむ時間がほしくて、一緒に過ごせる夜がこれで最後かと思うと寂しくて。
そこに起きてきたのが、当時10歳だった娘でした。
ずっとクールに振る舞ってきたけど、気持ちは僕と同じだったのかな。座っていた僕の膝にちょこんと乗り、ぽつり、ぽつりと話しはじめました。
どれくらいの時間が経ったでしょうか。
娘がこう言いました。
「わたしね、悲しくない。だって、死ぬということは近くにいるってことなんだよ。おママ〜って呼びかけたら、メールみたいにメッセージを打ち返してくれる」
だったら、僕の呼びかけにもメッセージを打ち返してくれるかな?
そう尋ねてみると……。
「泣かないで。いつまでもそばにいるよ」
「でも、触れられないのは、やっぱり寂しいよ〜」
「私のためにずっと起きてくれてありがとう」
「でも、無理しないで寝ていいからね」
まるで手紙を読むような口調で、たくさんの言葉をくれたんです。
もう一度だけでも妻と話したいという願いを叶えてくれた。
そして、娘のおかげで、ちゃんと泣けた。
こんな優しい子に育ってくれるなんて。
そのあと、僕たちは葬儀場の外に出てありえないほど美しい朝焼けを見ました。僕はあのオレンジを一生忘れることはないでしょう。
生まれてきてくれてありがとうね。
この子を僕に授けてくれてありがとうね。
母親のいない生活にストレスがあったのか、娘はこの数カ月後から腹痛が出はじめて、それをきっかけに小学校ではいろいろありました。
現在は、中学生になって再スタートを切ろうと頑張っています。
しかし、なかなか好スタートとはいかないようで。
心因性と思われる失声症になったり(1~2週間かけて元通りになりました)、学校の勉強に追いつけなかったり(再来週にはテスト!)。
つい先ほど、久しぶりに勉強を見てあげました。
心配な毎日だけど、一緒に過ごせる時間は幸せです。うん。
誕生日おめでとう。これからも仲良く暮らしていこうね。
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我が家を巣立っていく息子へ、今度は僕が天国からのメッセージを届けました。
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