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〝地味の星〟に生まれたある投手の快挙。
日曜日、プロ野球で快挙が生まれました。
その記録とは、日米通算200ホールド&200セーブ。
達成したのは、オリックスの平野佳寿投手です。
さて、ここで質問です。
平野投手が達成したのは〝史上初〟の大記録なのですが、そのニュースってあなたのもとまで届いていましたか?
おそらく届いていないか、届いていたとしても「記事を見かけた」程度ではないでしょうか。……それも仕方ありません。
だって、彼は〝地味の星〟に生まれた選手なのだから。
経歴を辿ってみましょう。
京都で過ごした高校時代。平野投手は最後までエースになれませんでした。甲子園での登板経験はあるものの、結果は3回1/3を投げて9失点と散々なものでした。
大学は京都産業大学へ。才能を開花させてプロへの扉を開くも、ドラフトの話題は高校生たち(いわゆる辻内世代)に奪われる始末。
そして、入団した球団が〝地味・オブ・地味〟オリックス。当時は目を覆いたくなるほどの暗黒時代でした。
そんな中、平野投手はコツコツと数字を積み重ねていき、2011年には最優秀中継ぎ投手、2014年には最多セーブ投手のタイトルを獲得します。そして、2018年からメジャーリーグへと羽ばたいていくのですが……、
ここでも、らしさを発揮します。
なんと、同じタイミングで大谷翔平選手もメジャー挑戦をしたことで、平野投手の存在は空気に! さらに、2021年に日本球界へ復帰したときも田中将大投手の復帰と重なって……。
どうでしょう、この運命的な地味さ。
今回の記録達成も、勝ち試合ではなく延長12回引き分けの中でひっそりと。
そんな平野投手、2020年に出版した本のタイトルは『地味を笑うな』です。
この本では、自らの原点について書いています。
少年野球でキャプテンを命じられたときのこと。監督からかけられた言葉は、忘れられないものだったといいます。
「いいか、キャプテンというのは、なんにもしなくていいんや」
「その代わり、ほかの選手たちにやらせなさい。お前はもう荷物とかを持たなくていい。でも、ちゃんとほかの選手にそういう仕事をさせること。もし、それで忘れ物があったとか、大きなミスがあったりしたら、俺は代表してお前を叱るからな」
「人にはそれぞれ役割がある」
「花形選手ばかりではチームは回らない」
この気付きこそ、平野投手の〝地味道〟を決定づけたものだったとそうなんです。そして、一流となって至った境地が……、
「地味であろうと、世界に評価される」
その平野投手には今、もうひとつの大記録が迫っています。
名球界入りの資格を得られる250セーブまで、あと22。順調なら今シーズンのうちに達成か。きっと、その日も誰かの話題によって空気になってしまうんだろうなー笑
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